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初恋という狂気の日々 第十六章

第十六章 絢辻詞

秋になると 合唱コンクールといった文化系の行事が開催される 
彼女はピアノが弾けるので、実行委員は別で存在するにも関わらず、この行事でも管理人的ポジションに自然となった 
彼女は練習の度に毅然とした振る舞いでクラスに指示と助言をする 私には専門外なので、傍観することしかできない 

そうして 多忙で役割が過多過ぎた日々は彼女を疲労させた 私は前章で書いたように、話を聞いて彼女に共感することしか出来なかった
しかも幸か不幸かその時期に席替えで彼女と隣になったのである  その状況となると私の彼女に対する崇拝は指数関数的に助長していった

ある日 彼女が帰り際に文句をこぼした
「皆がわたしに仕事を任せる というか押し付けるから、帰りが遅くなる なんでわたしの時間が奪われなくちゃならないの」

私は同情しつつ手伝いたいとも思ったので「そうか‥‥確かに君は頑張ってるもんね 何かしら俺も手伝えないかな?」こう返答した 

その発言を聞くやいなや 彼女は威圧的な眼差しで私を見ながら「頑張ってるって何?あなたは私の何を知ってるの? 大して苦労もしてないんだから、気安い発言をしないでくれる?」  そう言い残して 私が言い訳をする暇もなく その日の学校は終わった

私はゆっくり反省点を考えながら帰宅した 
 その結果 抽象的な発言はせず、より具体的な提言をするべき という考えに至り、次の日 会ってすぐに「昨日は軽はずみでいい加減な発言をした」 と謝った 

彼女はきょとんとしながら 「気にしてない むしろあなたに強く当たってしまった」 とお互い謝り 事なきを得た

そんなこんなで性格分析をする みたいな時間があり、隣席同士で行った 

私は冷静沈着な代わりに面倒くさがり屋で、少し自助努力をすれば良くなる 
 彼女はリーダーシップがあり 自主独立の精神はあるけど、周りと合わせにくい みたいな内容だった

私は彼女の結果を見て「やっぱりお前はすげーな 根っからの優等生だよ 合わせる観点がアレなのは慣れでなんとかなるでしょ 」みたいなリアクションを取った

そうすると彼女が口を開く「なんでわたしがあんな下人どもに合わせなきゃいけないの? 小賢しい」

今考えると、13歳の少女が発っする内容とは思えない程 毒舌である
本来 ここで私は「他人を見下す様な発言をするのは選民思想的だから良くない」と注意するべきだったのかもしれない 

けれども 彼女を尊敬という名の崇拝が心の大半を占めていたので、私は「そうだよな〜お前が合わせる必要ないもん」と同意していた

実際 内心でも “優秀である君はもっと報われていいし 人として格上すぎる なんて凄い人だろう”  といった感覚だった 

※当時 照れ隠しで学校内で彼女に対する二人称は「お前」を使っていました


以下 ここからは現在視点で初恋の人を振り返る文章となります

しかしながら この発言や今までの流れからして “とあるゲームキャラクター”と似てると思った人もいるのではないか? 

では “とあるキャラクター”とは誰のことか?

それは PS2 ゲームソフト アマガミに登場する  
メインヒロイン 「絢辻詞 あやつじ つかさ」 である

絢辻詞さんについて軽く説明しよう

以下 アマガミについてのネタバレが含まれるので注意してください






一言で表すと猫を被った拗らせ仮面優等生である

次に類似点を掲げる
・優等生ポジション ・リーダーシップがある
・学校での毅然とした態度
・表面の人柄の良さ(演技の上手さ)
・(大衆の前以外の姿) 裏の顔の怖さ 
・強がりの奥に隠れた弱さ
・拗らせ女子な点
 ・情緒不安定な点
・裏を知る数少ない人に八つ当たりをする点 など
他にもあるが、特に内面のぶっ飛んだ点で似た部分が多々ある

気になる人は絢辻詞で検索したり、アマガミの実況動画を見たり、アニメ化(サブスクで視聴可)もされているので それらを見ることを勧める

https://www.amagami.info/chara.html アマガミ ゲームソフト公式サイト

https://www.tbs.co.jp/anime/amagami/1st/chara/chara06.html アマガミSS アニメ公式サイト


ちなみに 絢辻さんの裏表豹変度合いは こんな感じである (イラスト提供してくださった Kさんには感謝)

表の絢辻さん(イメージ図)
裏の絢辻さん(イメージ図)

ちなみに見た目の雰囲気は全然違うのだが、喋り方も裏モードになっている時は非常にそっくりであると今になって私は感じてる 
 

なので 次章以降は初恋の人のコトは「絢辻さん(あやつじさん)」や「詞(つかさ)」と表記していく

そうして 狂気の日々がより沼深くなっていき…やがて絢辻さんに対する崇拝は神格化に繋がる… 

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