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本の部屋

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わたしの大好きな本だけを並べた部屋。 いつか壁一面の本棚みたいになる日を夢見てニマニマしています。 「ふーん、どれどれ」くらいのスタンスで気軽に立ち寄ってみてくださると嬉しいです…
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#読書感想文

言葉のひとひら『あなたのための短歌集』

少し疲れたとき、わたしには詩や短歌が効く。 心も体もいっぱいで、もうこれ以上何も入らない…

さち
1年前
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センス・オブ・ワンダーを育む

早朝の公園。 誰もいない新鮮な空気の中を、 まだ小さかった娘と、よく一緒に歩いた。 草の上…

さち
1年前
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【読書】『じゃ、また世界のどこかで。』ー撮って 笑って 旅をしてー

笑顔、笑顔、笑顔。 「僕の写真でもっとたくさんの人を笑顔にして、幸せを贈りたい」。 『は…

さち
1年前
57

【読書】『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ

このタイトルを耳にして多くの人がまず思い浮かべるのは、オードリー・ヘップバーンが主演した…

さち
1年前
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春樹さん、「壁」って一体なんですか。(システムとしての「強固な壁」と、意識の境界…

わたしは普段、小説を分析したり検証したりすることは、どちらかというとあまり好きじゃない。…

さち
1年前
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【読書】極上のエンタメ『ウィンダミア卿夫人の扇』/オスカー・ワイルド

19世紀末英国文学の旗手、オスカー・ワイルド。 彼の戯曲はエンターテイメント性がものすごい…

さち
1年前
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【読書】『お探し物は図書室まで』/明日が少し楽しみになる本

青山美智子さんの小説は、いつも優しい。 何気ない言葉で心の中にするりと入り込み、蓋をしていた気持ちに優しく触れて、そっと開いてくれる。 青山さんの言葉に導かれて、きつく閉められていた蓋が、ほんのすこし、開く。 一度開いた蓋からは、止めようもなく自分の気持ちが溢れ出る。 ほんとうは、こうなりたい。 ほんとうは、こう言いたい。 ぎゅっときつく蓋をしていた箱の中身は、 たくさんの「ほんとうは、こうしたい」。 そこから溢れ出たたくさんの本音の中には、自分でも気づいていなかったも

【読書】『タコの心身問題ー頭足類から考える意識の起源』/村上春樹ライブラリーで出会っ…

早稲田大学構内にある、「村上春樹ライブラリー」。 そこに収められているのは、村上春樹作品…

さち
1年前
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【読書】『星の王子さま』が光を放つわけ

『星の王子さま』。 数えきれないほどの人がこの本について語ってきたけれど、決して語り尽く…

さち
1年前
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【読書】『扉のかたちをした闇』江國香織×森雪之丞

物語のような音楽のような、連弾詩集 ふしぎな響きのタイトルだなあ。 この本を図書館で見つ…

さち
1年前
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【読書】『そして生活はつづく』星野源

図書館でたまたま見つけ、ふと手に取った。 「へー、星野源さんて、エッセイ出してたんだ。ど…

さち
1年前
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【読書】『私の好きな孤独』長田弘

バカンスのような孤独 「言葉の魔術師」と呼ばれた詩人・長田弘による、極上のエッセイ。 と…

さち
1年前
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【絵本】『ルピナスさん』バーバラ・クーニー

世の中を、もっとうつくしくするために 「世の中を美しくする」ということを意識しながら生き…

さち
1年前
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【読書】『クローゼット』千早茜

あなたの身体に触れていいのは、あなたが選んだものだけ 千早茜さんの作品を読むといつも、金継ぎを思いだす。 割れてしまった陶器を繋ぎ合わせて修復し、傷跡を金や銀で美しく引き立たせる修復法、金継ぎ。 もう二度と立ち直れない、と思うほど壊れてしまっても、人はまた、笑うことができる。 傷を負う前よりもっと美しく輝くことさえできる。 彼女の作品からはいつも、 そんなメッセージが伝わってくる。 幼い頃に母親の恋人から暴力を受けたことで男性恐怖症を抱えている纏子(まきこ)は、才能あ