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ハロウィン終了報告その2

先日、まだ熱も冷めないうちに、その1でご報告させていただきましたが、300人を超える子供たちを含むトリックORトリーター達にキャンディを無事配布し大盛況のもと店じまいすることができました。

ハロウィンの翌日は午後から久しぶりの雨模様。天気に恵まれたハロウィンで本当に良かったです。

今回はハロウィンの一日、私の職場でのお話を聞いていただければと思います。

あまり気の乗らないハロウィン、なのに絶対に振り回されてしまう恐ろしいハロウィンです。

朝から気温3度と冷え込みは厳しいものの、さわやかな晴天。小さな子供ちゃんたちのことを思うと、「よかったなあ」と一安心ですが、前に呟かせていただいた通り、組合から職場からこれでもかといわんばかりのハロウィンイベントのメッセージ。

本当にこのイベントには後ろ向きなのですが、それでも全く無視するわけにもいかず。。。

私は大学の先生方が利用する教員センターのような感じのオフィスで事務をしています。受付というわけではありませんが、センターの入り口にデスクがあり、訪問者は入室すると自動的に最初に私と話さなければなりません。

私の業務要項にオフィス管理があり、私と同じ職務の他事務員同様、私も季節に合わせてオフィスの飾りつけなどををしたりします。

今はハロウィンというよりは、秋をテーマにススキを飾ってみたりオレンジ系の造花を飾ったり。微力ですができるだけ季節感がでるよう努めています。

そんなこともあり、センターの顔になるデスクにいる私ですから、やっぱり何かしないと。

と、頼まれてもいないのになんだか責任を感じ、迷った結果、当日はコスチュームを持参してオフィスで着替えようと計画を立てました。

手持ちのコスチュームは手術着(グリーンのトップとグリーンのパンツ)か囚人。究極の選択です。

どうしてこの選択肢があるかというと、夫は制作会社の人事部で働いているため、以前は強制的に仮装しなければならず、仕方無く用意したものです。そんな夫はコロナからリモートに完全転向したため、今年も晴れて強制仮装から自由の身に。幸せ者です。

私の選択は手術着。ぶかぶかなので普通の洋服の上に着ることが可能だし、それ程はじけていないのでこれでオッケー、だったはずなのですが。

朝家を出る際、ちょっといつもとルーティーンが変わってしまい、それがその後の悲劇につながってしまいます。。。。

通常次男が早朝家を出てから、長男を起こし私の通勤途中にある彼のバス停まで送っていくはずが、長男朝「今日講義オンラインだから送りはいらない」って。

普段はなかなか起きない長男のお陰で15分くらいロスしてしまうのですが、それがなくなったとたん急に時間ができてしまいました。

これって何かできるかも、と変なやる気を出してしまった私は鏡の前でいけないアイデアを思いついてしまいました。

変な顔してったらおもしろいかも。

でも準備全くなしなので、持ってるものでどこまでできるか。あると言っても時間は15分。ここで思いとどまるべきでした。。。痛恨のミスです。

黒いアイシャドウで目の周りを真っ黒にすると、「おー、ゾンビっぽいかも」と調子に乗ってしまい、じゃあ赤い口紅で。。。「おー、なんか口裂け女っぽいかも」ともうのりのり。

仕上がりはなんか口裂け女のゾンビ、まあそのままなんですけど、それでも普通ではない仕上がりになり何故か大満足。

普通にジャケットを着てバッグを持って出発しました。

通常通り車で出勤すると普段着の私はすっかり変な顔をしていることを忘れ、駐車場で通りすがる人が2度見するのを不思議に思い、「何か変なもの顔についてるのかな?」と思ったりして。。。

建物の入り口でガラスに映った自分を見て思わず悲鳴。

そうだ。。。口裂け女だった。。。やば!

そこで激しく後悔する私。正気に戻ったといったらいいでしょうか。でももう時すでに遅し。溜息でオフィスへ向かいます。

もう覚悟を決めて手術着を着て準備万端。私は8時にオフィスのドアを開けて、同僚はみんなが8時半に出勤するのを迎えます。

最初に入ってきたMさんは、

「わあ、気合入ってるね!今日はハロウィンだったね。」

と完全に他人事。溜息がひとつ。でもまあ想定通りの反応です。

そして次に入ってきたBおじいちゃん、

「今日はいつもと違うね。」

って、そりゃあそうでしょ。口裂けてるんだし、目の周り真っ黒だし。もっと驚いたり笑ったりしてくれないとこちらの立場がないでしょ??と腹立たしくなります。昨日は仮装してくるっていってませんでしたっけ?

最後にボスの入室。

彼女は小さな女の子を持つお母さん。朝からご機嫌斜めな娘さんに精魂尽きた様子で、私を見ても普通に話をしつづけます。まあ大変だったんだよね、でもさ、何か言ってくれないと私ただの変な人みたいなんですけど。。。

もう一度深いため息。長い一日になりそうです。。。。が、ここは気を取り直して、大丈夫何とかなります。自分を鼓舞して業務に戻ります。

今日ってスケジュールどうなってたっけ

今日のスケジュールを見て愕然とします。今日に限っていつもはない外部とのミーティングが2件も入っています。

最悪です。

一つ目のミーティングは10時から1時間。こちらは外部の
教育機関からゲストを招きプレゼンと話し合い。ズームで行われるのですが、参加者12人。

ゲスト以外はすべて私の知っている人なので気楽ではありましたが、それぞれの顔が小さい四角内にバランスよく収まっているのに、どうしても目立つ笑顔の口裂け女。

自分で言うのも何ですが、迫力でした。。

ゲストのIさんはそれはそれは優しい素敵な方で、最初に私の顔を見て「とっても素敵ですね!」と笑顔でほめてくださり、「楽しそうなオフィスですね。」とか優しいことをいってフォローしてくれたり、同僚からもチャットで「グッドジョブ」とかいじられて、まあそれなりに和気あいあいと終了しました。

問題は2つ目のミーティングです。午後2時から始まりました。

こちらは先月共同ワークショップをすることになったD大学の皆さんとの初顔合わせ。総勢30名の大きなグループです。うちの大学から10名の40名。もう気絶しそうです。

初対面でこの顔は避けたかった。

午前中はシャープだったメイクももうよれまくり、ゾンビーの目元は激しい寝不足風に、口裂け女の唇ももう輪郭がなくとうもろこし食べちゃった?みたいなとっ散らかりぶり。

向こうの大学の皆さんはとにかく面持ちが真剣そのもの。シリアスです。私が参加してもクスリともしてくれません。もう私の存在自体が無視されているような、ないものとされているようなとっても涼しい雰囲気。

同僚に携帯で

「もういたたまれない。助けて~。」

と会議中何度もメッセージし、あと少し、あと少しと励まされて何とか終了しました。

途中私の画像がスクリーン内であまりにも不釣り合いだったのでビデオをオフして、そのまま逃げ切ろうと思った時に、

メイメイさんに質問なんですけどとプロジェクトリーダー私に名指しで質問。嘘でしょー?拷問です。

これまた質問が嘘みたいに硬くて意気消沈。深呼吸してまたビデオをオンにして答えます。もうこれ罰ゲームですよ涙。

データの管理、フォームの作成方法とプラットフォームの選択。聞かれたことに、口の裂けたゾンビがまじめに答えました、精一杯。話の始めに

「今日はハロウィンなのでこんな顔してますが、いつもはこうじゃまいんですよ〜」

と軽く笑いをとりに行ったのが大間違い。

しーんと静まり返り冷たい空気でコートが必要なほどでした。

120分の会議が終わった時、私はもう疲労困憊、デスクの上で頭を休めしばらく動けませんでした。精神的ダメージが大き過ぎて、体が凝りまくってます。

よく頑張った。

同僚のMさんがねぎらってくれはしましたが。あなたたちも悪いよ!

みんなちゃんと仮装してきてよ。そうじゃなかったら、笑うとかいじるとか何かしてくれないと本当私変な人みたいじゃん。

と訴える私に、事情が飲み込めないBおじいちゃんが言います。

誰かを見て笑っちゃいけない。誰かと一緒にわらわなくっちゃ。
You can't laugh at somebody. You should laugh with somebody.

とすっとんきょうなことをいって、さらに私を怒らせます。

ダイバーシティが騒がれる昨今、見た目や自分と違うことで笑ったり冗談を言ったりするのはいけないということなのですが、この場合全然違うでしょ。笑わないとだめでしょ。そうじゃないと、私ただのかわいそうな人になっちゃうじゃん。

Bおじいちゃんなんかもう大っ嫌いー!心の中で叫びました。ペーターのいるアルプスの山を心に思い描きます。

もう回復不可能です。

このあと今日は夜中キャンディ配布のシフトもあるのに、ぶつぶつ。。

ということでさっさと荷物をまとめ、

お疲れ様でした。

と自分に言いながら3時半に早退しました。
やっぱりハロウィンは手強い。来年は絶対絶対何もしないぞー!

11月に入った今、一回り大きくなったような気がする私です。





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