見出し画像

過去へ咲く花|つぶやき


私のことばは《レクイエム》
「だれか」や「その人」に手向ける鎮魂歌

かつて生きていたあのひとを慕って
ひとりでに咲く花

どのように咲くか
決めるのは私ではなく、花自身
私ができるのは
せいぜい
お水をあげるくらい

「透きとおることばの花びらをあつめています」

透明でないと、たぶん時は越えられない

そのひとのために覗き込む暗闇の底には
ひとつぶの銀の真砂が遺されている

私のために置かれているわけではないけれど

誰も拾わないなら
降りていって
見つめていてもいいですか




ピアソラ「アヴェ・マリア」
(ダニエル・ミル)


この記事が参加している募集

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?