英文法の例文学習をより面白く

中学と高校では英文法の教え方が違う。

中学では文脈が大事だ。丁寧に「お店」とか「道端での道案内」とか、とにかく文脈を丁寧に設定するため、学習する必要性は生徒は感じるかもしれない。しかし問題は、①愚直に練習し暗記する回数と分量が圧倒的に少ない。②あるいは理解が追いついていないまま丸暗記するため結局マスターできない生徒もいる。(ちゃんと中学で文法をマスターできている生徒もたくさんいることは明記しておく)

一方、高校ではとにかく時間がない。文脈ありきでやっていたら時間内に学習項目が終わらない。一文単位のドリル(多くは穴埋めか、4択問題)であれば時間的効率性が良いから高校では多用される。多くの大人も現役の高校生もこのやり方で文法を学ぼうとする(してきた)。しかしこのやり方でもまた、文法はマスターはできない。

なぜか。理由は2つある。

1つは圧倒的にオモシロクないからである。文脈が存在しない学習というのはこれほどまで面白くないものかと思わざるを得ない。高校では文法学習時、多くの場合文脈が設定されていない。なぜなら教科書(副教材)の構成がそうなっている上に、学習項目が多すぎるからだ。そのため一文単位のドリル教材が人気だ。しかし文脈がなければ言語は「用を足せないのだ」何の役にたつかわからないものを延々と覚えさせられて面白いと思えるだろうか。難しいだろう。

例えば、比較の強調で muchを使うという知識を授業で教えたとする。ドリル的には次のようになるだろう。生徒はmuchを選んで「終わり」になる。これではよほど切羽詰まった受験生以外食い付かない。

This bag is ( much / very ) cheaper than that one.   

しかしこれは言語の学習上あまり役に立たない。生徒の頭に残るのは 「比較はmuch」だけである。英文を作り出せるわけでも、この文法項目をどのような場で使うのかもついぞ学ぶことはないのである。(それでも muchがテストで選べれば教師はマスターできたと判断してしまう)

どうせ学ばせるのなら、例文を2文以上にしてはどうだろうか。

文法をマスターできない二つ目の理由は、演習量が十分でないからだ。今、学校は一文単位のドリルをしていると言ったばかりだろうと思うかもしれないが、やはり十分ではない。一つの文法項目で問題数はせいぜい3つぐらいで、それも4択問題ぐらいだからだ。かっこの中は気になっても文を述べることはできない生徒を大量に生み出してしまう。例えば仮定法なら二十文ぐらい話分英訳できないと身につくものもみにつかない。

ではどうするかだが、例文を二文以上にして、最終的に絵を使うか何も見ずに英文を言えるようにすることが近道だとおもう。

例文を2文以上にするのは「文脈が設定されるため」である。2文(正確には2文以上)あれば文脈ができるのだ。比較の強調であれば、次のような場面で使えるだろう。

(topic) Which is better, school uniforms or casual wears?

(point) In my opinion, casual wears are better. 

                                        Why?

① They are much cheaper.
② T-shirts and jeans are about ten thousand yen altogether. 

③ On the other hand, school uniforms usually cost over thirty thousand yen. 
④ They are too expensive.

これを覚えて、英語に直す練習をさせた方が面白いし、使えるし、記憶に残る。
次のような感じで覚える。


それら

はるかに安い。

T-shirtsとjeans

約 1万円
全部で

その一方
学校の
 制服s
たいてい
かかる
 以上
 3万円

それら

あまりに
高い(値段が)

次に絵やキーワードをもとに、顔を上げて人に説明してみる。
上記であれば、私服の絵 と制服の絵で、私服を指差しつつ、相手に説明を始める。


手順は以下の通りになる。
<1>生徒は最初に説明を聞いてわかる。
<2>一文単位のドリルを片付ける。(テキストにあるからやらざるを得ない)
<3>間違いを訂正する。(無ければ教師が例文を追加)
<4>生徒がルールをパートナーに説明してみる。
<5>文脈がある例文を覚える。(最低2文で上記のようなやり方で)
<6>絵やキーワードを使ってパートナーに説明してみる。

このような例文が増えていけば、英語貯金がどんどん増えていく。言えることが増えると面白くなる。

本来はその文法を使うと用がたせる文脈を用意してあげるのが一番だ。

それが許されない場合の時は上記の二文法で三回ぐらい例文を覚えるのもいいと思う。

例文はなるべく生徒の実体験に近く心にささるものがいいと思う。

The test scores were much worse …than I had thought.
My mom will get angry …with the results.

Have you ever seen Demon Slayer? 
Yes.  It was much more exciting movie …than I had thought.

覚えがあることを習った表現を使ってどう言うのか学ぶのは生徒にとってより意味のある学習になると思う。







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