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🐓🍵 チキンカップ(鶏缸杯)が欲しい

※2024/08/02追記あり
※2024/07/26追記あり
※2024/07/25追記あり
※2024/07/24追記あり
※2024/07/23追記あり

【はじめに】

チキンカップの現存状況については、ウィキペディアの英語版と中国語版で記述が食い違っており、またその日本語訳に際して翻訳を誤っている可能性がある。
(識者の指摘を求む)

以下本編。

春頃にテレビで見かけたチキンカップのレプリカで美味しい焙じ茶でも飲みたいなと思ったり。

2014年に香港のオークションで37億円で落札されたやつ。もちろん本物は買えないのでレプリカが欲しい。

参考画像:本物
(2014年🇭🇰サザビーズオークション)
参考な画像:本物
(2014年🇭🇰サザビーズオークション)

チキンカップとは15世紀に中国代の皇帝 成化帝が景徳鎮で作らせたニワトリの雄鶏、雌鳥が描かれた高さ約3.8cn, 直径約8.3cmの陶磁器の酒杯で中国語の正式名称は「明成化 闘彩鶏缸杯」。

作られた内の最高品質のものだけが宮廷に納入され、それ以外のものは全て粉砕して破棄されたので現存する19点の内、本物と認定されているのは世界に16点しかない(17点の説もある)。その内8点は🇹🇼台湾国立故宮博物院が、3点は個人が所蔵している。
(個人所蔵の内の1点が2014年香港、サザビーオークションで落札されたもの)

参考画像:本物
(🇹🇼国立故宮博物院所蔵品)

色絵付が青豆に似た瑞々しい淡緑色を主とした彩釉を使われているため日本では【豆彩】とも呼ばれている。このため日本風に書くと「明成化 豆彩鶏文盃」となる。

参考画像:本物
(🇹🇼台湾国立故宮博物院所蔵品)

中国ではその焼き方から、まず青花で細い線の輪郭を描いて透明釉を施し、1300度の高温で形を作り、再び赤、緑、黄色を透明釉の上で添色して低温焼成で完成品になる。完成品に釉上彩と釉下彩の諸色が鮮やかに表れ、まるで綺麗さを争うようになっていることから【闘彩】と呼ばれている。

参考画像:本物
(🇹🇼台湾国立故宮博物院所蔵品)

闘彩の技法は明成化年代初期に誕生したが、その制作にはとても高い技術レベルが求められるため、出来の良いものを作ることは大変難しい。

参考画像:本物
(🇹🇼台湾国立故宮博物院所蔵品)

Collections

The National Palace Museum in Taipei currently holds eight authentic chicken cup ceramics from the Chenghua period. There are five museum collections which also hold Chenghua Chicken cups; in the British Museum (at least two) and Victoria and Albert Museum in London, the Fitzwilliam Museum, Cambridge, the Metropolitan Museum of Art, New York City, and the Collections Baur, Geneva. Three other Chenghua chicken cups are recorded as being owned privately. Two cups in the Palace Museum Beijing, claimed as Chenghua by the museum, are disputed by Western experts.

Sotheby's auctions

Chenghua chicken cups have recently only been offered for sale at auctions conducted by the international auction house, Sotheby's. On August 8, 2014, Sotheby's conducted a seven-sale series of Chinese ceramics in Hong Kong. A Chenghua chicken cup from the private Meiyintang collection of Chinese ceramics was sold at the auction for a record US$36.05 million (HK $281.24 million) to Shanghainese billionaire Liu Yiqian. This was recorded as the highest auction price for any Chinese Porcelain to be sold at. The previous record for was held by a Qing Dynasty vase which sold for US$32.4 million in 2010. The estimated pre-sale price for the Chicken Cup was recorded at US$38.6 million in 2010. The chicken cup was previously sold in 1980 in Hong Kong for US$1.08 million (HK $5.28 million), as well as in 1999, where it also established a record price for Chinese porcelain at US$3.70 million (HK $29.17 million).

This Chenghua cup was previously part of the Meiyintang Collection owned by Switzerland's Zuellig family, including industrialist Stephen Zuellig and his brother Gilbert. The brothers owned the Meiyintang collection for over half of a century. The Meiyintang collection was made up of 2,000 Chinese ceramics from the Neolithic to the late imperial periods and was one of the best European collections of Chinese imperial porcelain. The collection was assembled over a period of greater than 50 years. The cup was also previously owned by collectors such as Leopold Dreyfus, Sakamoto Goro, Giuseppe Eskenazi and Edward Chow.

The record auction price of the singular chicken cup is attributed to scarcity within the market for rare Chinese ceramics, as well as the increased demand within the market for ancient Chinese porcelains as China's economy expanded in 2014. Several of the cups were originally displayed in the Jingdezhen museum alongside large quantities of other Chenghua ceramics. The intervention of collecting over time leading to the cup's status of singularity has enabled the Chicken Cup to become a scarce commodity. The cup is one of nineteen which continues to exist, and is the only to remain in a private Chinese collection.

Purchasing the chicken cup was recorded to involve Liu Yiqian performing twenty-four swipes of an Amex card, due to Sotheby's credit card transaction limit of $US1.6 million. While the payment process proceeded at the Hong Kong auction house, Liu was photographed pouring tea into the cup and sipping from it. This event resulted in criticism from communities within China, with some suggesting the action was disrespectful and created risk of damage to the cup.

【日本語訳】

※後述の中国語版と説明が食い違っていることに注意!
(現存する17/19点が本物、大英博物館が2点所蔵)

収蔵品

現在、🇹🇼台北の国立故宮博物院には正真正銘の明成化年製のチキンカップが8点収蔵されている。また、🇬🇧ロンドンの大英博物館(少なくとも2点)と🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、🇬🇧ケンブリッジのフィッツウィリアム博物館、🇺🇸ニューヨークのメトロポリタン美術館、🇨🇭ジュネーブのバウアー財団東洋美術館の5つの博物館も明成化年製のチキンカップを所蔵している。このほか、3つのチキンカップが👤個人所有として記録されている。🇨🇳北京の故宮博物院に所蔵されている2点は同博物院が明成化年製と主張しているが、西洋の専門家は異議を唱えている。

サザビーズオークション

チキンカップは最近では国際的なオークションハウスであるサザビーズのオークションにしか出品されていない。2014年8月8日にサザビーズは香港で中国陶磁器の7つのセールを行った。このオークションで中国陶磁器の個人コレクションである玫茵堂コレクションのチキンカップが上海の億万長者である劉益謙に3,605万ドル(2億8,124万香港ドル)という記録的な価格で落札された。これは中国陶磁器のオークション最高落札価格となった。これまでの最高記録は、2010年に3,240万ドルで落札された清朝時代の花瓶であった。2010年にこのチキンカップの推定落札価格は3,860万ドルと記録された。このチキンカップは1980年に香港で108万ドル(528万香港ドル)で落札されたほか、1999年にも370万ドル(2917万香港ドル)で落札され、中国磁器の記録的な価格を打ち立てている。

このチキンカップは実業家スティーブン・ズエリグとその弟ギルバートを含むスイスのズエリグ家が所有していた玫茵堂コレクションの一部であった。ズエリグ兄弟は半世紀以上にわたって玫茵堂コレクションを所有していた。玫茵堂コレクションは新石器時代から帝国時代後期までの中国陶磁器2,000点から構成され、中国帝国時代の磁器コレクションとしてはヨーロッパ屈指のものであった。コレクションは50年以上の歳月をかけて収集された。このチキンカップはレオポルド・ドレフュス、坂本五郎、ジュゼッペ・アシュケナージ、エドワード・チョウなどの著名なコレクターも所有していた。

オークションにおけるチキンカップのこの特異な記録的価格は、希少な中国陶磁器市場における希少性および2014年の中国経済の拡大に伴う古代中国陶磁器市場における需要の高まりに起因している。チキンカップのいくつかは、もともと景徳鎮の博物館に他の大量の明成化年間の陶磁とともに展示されていた。長い時間をかけて収集が行われ、その結果、チキンカップは特異な存在となり希少な商品となった。現存する19個のうちの1つであり、中国の個人コレクションに残っている唯一の作品である。

サザビーのクレジットカード決済限度額が160万米ドルであるため、チキンカップの落札代金の支払いのために劉益謙がアメリカンエキスプレスのクレジットカードを24回支払い端末に通したことが記録されている。香港のオークションハウスで支払い手続きが進む間、劉はチキンカップにお茶を注ぎ、それを口にするところを写真に撮られた。この出来事は中国国内のコミュニティから批判を浴びる結果となり、この行為は無礼でありカップが破損する危険性があるとの指摘もあった。

https://en.wikipedia.org/wiki/Chicken_Cup_(Chenghua)

截至21世纪,全球尚有16件成化鸡缸杯存世。
目前有13件鸡缸杯藏于博物馆,3件鸡缸杯被私人收藏。

现存世的成化鸡缸杯包括:

・台湾国立故宫博物院藏8只
・美国大都会艺术博物馆藏1只
・英国大维德基金会藏1只(现由大英博物馆托管)
・英国维多利亚和阿尔伯特博物馆藏1只
・瑞士日内瓦鲍氏东方艺术馆藏1只(1995年借至日本展出期间因阪神大地震而损坏)
・中国上海龙美术馆藏1只(刘益谦于2014年购得,玫茵堂旧藏)
另有3只由私人藏家所有,其中2只仇焱之旧藏鸡缸杯分别为香港藏家马锦灿与区百龄收藏。
英国菲茨威廉博物馆所藏的1只鸡缸杯、北京故宫博物院所藏的2只鸡缸杯是否为成化年间真品则存有争议。
故宫博物院器物部主任吕成龙研究认为北京故宫所藏2只鸡缸杯皆为康熙朗窑仿品。

【日本語訳】

※前述の英語版と説明が食い違っていることに注意
(現存する16/19が本物、大英博物館は1点所蔵、龍美術館が1点所蔵)

21世紀現在、16点のチキンカップが現存しており、13点は美術館に、3点は個人所蔵となっている。

現存するチキンカップは以下の通り。

🇹🇼台湾・台北 国立故宮博物院所蔵×8点
🇺🇸アメリカ・ニューヨーク メトロポリタン美術館所蔵×1点
🇬🇧イギリス サー・パーシバル・デイビッド中国美術財団所蔵×1点
(現在は大英博物館に信託所蔵)
🇬🇧イギリス・ロンドン ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵×1点
🇨🇭スイス・ジュネーブ バウアー財団東洋美術館所蔵×1点
(1995年の阪神淡路大震災により日本の貸出時に破損)
🇨🇳中国・上海 龍美術館所蔵×1点
(2014年に龍美術館の創設者である劉益謙玫茵堂コレクションから譲り受けた)
👤別の3点は個人所蔵品で、その内の2点は香港のコレクターである马锦灿区百仇焱之コレクションから譲り受けたものである。

※🇬🇧イギリス・ケンブリッジのフィッツウィリアム博物館に所蔵されているチキンカップ1点と、🇨🇳中国・北京の故宮博物院に所蔵されているチキンカップの2点が明成化年製のものであるかどうかについては議論がある。
→🇨🇳中国・北京の故宮博物院文物部の部長である吕成龙は、北京の故宮博物院所蔵の2点のチキンカップは清代の康熙年間に作られた朗窯の写しであると結論づけた(※)。

※ "Discussion of the Application of Traditional Appraisal Methods when Appraising Ancient Ceramics" (PDF、139ページ). from Transactions of the Oriental Ceramic Society. 2020.

https://zh.wikipedia.org/zh-cn/%E6%98%8E%E6%88%90%E5%8C%96%E6%96%97%E5%BD%A9%E9%B8%A1%E7%BC%B8%E6%9D%AF

なおチキンカップの本物の詳細な画像(3D/2D)は台湾の国立故宮博物院のWebサイトで見られる。

タオバオにある🇨🇳龍美術館のオンラインショップでもレプリカが売られているのを発見したが、美術館で売ってるレプリカにしては出来がいまいち…

参考画像:レプリカ
(🇨🇳龍美術館販売品)

🇹🇼国立故宮博物院のオンラインショップなら1980NT$(今だと1万円ぐらい)でレプリカが買えるけど、これも美術館で売ってるレプリカとしては出来がいまいち…
(🇨🇳龍美術館で売ってるレプリカよりは若干マシ)

もういっそのこと割り切って出来は悪くともあえてAmazonやAliExpressで売ってる安いのを買って、シノワズリ的に日常使いで気軽にお茶を飲むのもいいかもしれない。

参考画像:レプリカ
(🇹🇼国立故宮博物院販売品)
参考画像:レプリカ
(🇹🇼国立故宮博物院販売品)
参考画像:レプリカ
(🇹🇼国立故宮博物院販売品)

国立故宮博物院と言えば、🥬翠玉白菜や🐷豚の角煮(肉形石)も有名だけど、お土産品には白菜折り畳み傘なんかもある。 

国立故宮博物院オンラインショップのInstagramを見ると「全球配送」=Worldwide shippingって書いてあるからいつかいろいろ注文してみたい。

※2024/07/23追記

AliExpressなら700円/1杯で買えるから、とりあえずレプリカの安いやつでも買って気軽に楽しむかと思ったけど、いくら安くても食器洗いで洗うと塗装の色が剥げるのは嫌だなぁ。

鶏の絵といい裏の「大明成化年製」の書体といい、清々しいまでのニセモノ😂

あんまり高くなくてほどほどに出来の良い塗装の色が剥げないチキンカップ求む!

※2024/07/24追記

🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品

参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)

※2024/07/25追記

🇬🇧大英博物館所蔵品

参考画像:本物
(🇬🇧大英博物館所蔵品)

🇨🇳龍美術館所蔵品

参考画像:本物
(🇨🇳龍美術館所蔵品)

🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

参考画像:本物
(🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵品)
参考画像:本物
(🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵品)
参考画像:本物
(🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵品)
参考画像:本物
(🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵品)

🇬🇧フィッツウィリアム博物館

参考画像:真贋不明
(🇬🇧フィッツウィリアム博物館所蔵品)
参考画像:真贋不明
(🇬🇧フィッツウィリアム博物館所蔵品)
参考画像:真贋不明
(🇬🇧フィッツウィリアム博物館所蔵品)

🇨🇳北京故宮博物院

参考画像:代の康熙年間に作られた朗窯の写し
(🇨🇳北京故宮博物院所蔵品①)
参考画像:代の康熙年間に作られた朗窯の写し
(🇨🇳北京故宮博物院所蔵品①)
参考画像:代の康熙年間に作られた朗窯の写し
(🇨🇳北京故宮博物院所蔵品②)
参考画像:代の康熙年間に作られた朗窯の写し
(🇨🇳北京故宮博物院所蔵品②)

【参考画像集(拡大)】

レプリカと比べると筆のタッチが全然違うし、やはり本物は落ち着いた上品な色あい。

参考画像:本物
(2014年🇭🇰サザビーズオークション)
参考画像:本物
(🇹🇼国立故宮博物院所蔵品)
参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵品)
参考画像:真贋不明
(🇬🇧フィッツウィリアム博物館所蔵品)
参考画像:代の康熙年間に作られた朗窯の写し
(🇨🇳北京故宮博物院所蔵品②)
参考画像:レプリカ
(🇹🇼国立故宮博物院販売品)
参考画像:レプリカ
(🇨🇳龍美術館販売品)
参考画像:本物
(2014年🇭🇰サザビーズオークション)
参考画像:本物
(🇹🇼国立故宮博物院所蔵品)
参考画像:本物
(🇺🇸メトロポリタン美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇬🇧大英博物館所蔵品)
参考画像:本物
(🇨🇳龍美術館所蔵品)
参考画像:本物
(🇬🇧ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵品)
参考画像:真贋不明
(🇬🇧フィッツウィリアム博物館所蔵品)
参考画像:代の康熙年間に作られた朗窯の写し
(🇨🇳北京故宮博物院所蔵品①)
参考画像:レプリカ
(🇹🇼国立故宮博物院販売品)
参考画像:どこの所蔵品?(真贋不明)
参考画像:どこの所蔵品?(真贋不明)

※2024/07/26追記

香港でも探せばチキンカップのレプリカはあるようだが、つくりの方は残念ながらうーんって感じ。

※2024/08/02追記
チキンカップの出来の良いレプリカが見つからないので、龍の描いてある湯呑みなんかもいいなと物色してみたり。

コレクションというより日常的に使いたいのでこんな感じでいいんだけど、これは直径6.2cm、高さ3cmと茶器というより盃に近い(小さい)🙅‍♂️
これいいなと思ったんだけど、
5個1セットで15,900
円とお値段が🙅‍♂️

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