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本の感想「人を動かす対話術」岡田尊司/著
久しぶりに本を読めました。著者の方はパーソナリティ障害の治療で有名な精神科医の方のようで、これまでにも何冊か読んだことがありましたが、今まで読んだ中でも、自分としてはとても役に立つことを知ることができて良かった著作でした。
本の中の文章をそのまま引用させていただきますが、私は『対話は、克服ではなく、その逆に役割を果たしていることが多いように思える。追い詰め対立することが現実には頻繁に起きている。しかし相手を貶めて自分が勝者になる対話は、勝者も不幸になり、長い目で見れば破壊しかもたらさない。』この文章にとても同感しました。多くの悩みはこのようにして生まれてるように思います。真の対話とは、楽にはできずに努力がいるものなのだなあと感じました。
本の中で一番自分にとって役に立ったことは、『人の両価的葛藤』でした。
「変わりたいのに、変われない」と葛藤する時に、どんな心の動きが起こっているのか、それに対してどう対処していくのがいいのか。人が変わる時には、決意をするしかないというのは、どんな解決策を読んだ時にも変わりありませんでしたが、両価的な葛藤があるために決断がより困難になることが新しく知れたことでした。『良いと思う方に引っ張ると反対に強く引き戻される』逆説的な反応が大きな特徴なのだそうです。
何年も、何年も、やめたいと思ってやめられなかったこととか、自分を駄目にしてるとしか思えない行動をどうしてやめることができなかったのか、これで説明がつきそうな気がします。やはり、力づくで止めることは無意味なことなのだなと思いました。受容から始めないと動くことができない。主体性を蔑ろにされると動けなくなる。自分も含め人間というのはとても厄介だ。改めてそう思いました。
私は『最後は自身の成長にも大きな意味をもつ師となる』ことができませんでした。でもほんの少しでも、成長し続けることはできるかもしれません。
最後に、本の中で印象に残った文章を3つ書き加えたいです。
『共感とは嘆きさえも受け入れるものである。』
『その人の関心がどこにあるか見極める。それが相手を尊重するか、ないがしろにするかなのである。』
『最悪なのは信じるよりも疑い、評価するよりも否定して、どうせ変わるはずがないと心の中で見捨てて本人を蔑んでいる人に関わられた場合である。』
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