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宮沢章夫が亡くなっていた

宮沢章夫が亡くなっていたことに驚く。知らない人も多いと思うけど。宮沢章夫はコント劇作家及び作家。正直世間にどう評価されているかはよく分からないが個人的には天才だと思っていた。

80年代のサブカルの立役者と語られているが良く知らない。大竹まことのシティーボーイズも正直つまらないなと思って見ていた。まだまだ私が幼かったからかもしれない。

何と言っても私が惹かれたのは著作だった。代表とされる作品(芥川賞候補)は「サーチエンジンシステムクラッシュ」で池袋が舞台の何ともうまく言えない不条理作品だ。多分だけどカフカの池袋バージョンなんだと思う。

個人的に衝撃だったのがエッセイ集。「牛への道」「牛乳の作法」「彼岸からの言葉」「青空の方法」等々だ。日常の不条理を丁寧にたたみ込んで笑いへ昇華させるというものだ。これが宮沢章夫の真骨頂そのものだと思う。その他に「時間のかかる読書」「『資本論』も読む」みたいな実験的な評論エッセイも読んだけど私のような凡人にはよく分からなかった。

とにかく日常の不条理を切り出して、それについて意味不明な論理を積み重ねる。誰でも出来そうで出来ない。最後のツイートもまさに不条理だと思う。

「それにしても眠い。さよなら。宮沢章夫」

まだ新作が出るものと思っていたのでショックだった。宮沢章夫のいない世界は間違いなく暗い。

おしマイケル。

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