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【一貫野の藤】目の前に広がる藤の花と清流のコラボレーションは「むらの宝」

山口県山口市の仁保地区には、清流の淵にカーテンのように垂れ下がる藤の花が見られるポイントがあります。
自然が作り出したこの場所は、仁保地区の人達が「むらの宝」として、長年手入れをされている場所。
「一貫野の藤」と呼ばれる藤の里で、地元の人達の温かいおもてなしを受けながら、自然の豊かさに触れてみませんか?


藤の花と清流のコラボで、写真愛好家に人気スポット

本州最西端の山口県。
仁保地区は、県庁所在地である山口市にあります。
山に囲まれたこの地域では、峰から清流が流れ込んでいます。

清流が作る淵に、野生の藤がまるでカーテンを広げたように垂れ下がっているのが「一貫野の藤」です。
自然の造形美を求めて、全国から写真愛好家が集まる場所となりました。

渓流に藤の花房が垂れ下がっている
撮影:2023年5月4日

2023年は裏年にあたり、花房の数が少なったのですが、それでもこの美しさ。
当たり年には、薄紫のカーテンが垂れ下がった光景が、目の前に広がるでしょう。

「むらの宝」は、地元の人の手作り観光スポット

”この藤の木は地区民が永年管理を続けて来るとともに周囲の川を整備してつくった手作りの観光スポットです。”

出典:仁保Web

仁保自治会さんが作成しておられる「仁保Web」にも記載されている通り、地元の人達の心配りが随所に感じられる、観光スポットとなっています。

訪問した時にはあまりに自然で、私は気づきませんでした。
例えば、川辺と車道の間のこの場所。

整備された道端
すぐ下が川になります

藤の木を守るために、人が入れないように場所を囲ってあります。
反面日差しを遮らないように、下草が刈られて手入れがされています。
まさに「むらの宝」ですね。

車道から撮影スポットを写したこの写真では、

撮影ポイントの全景
淵の左側に境目の枝が見えます。

訪れた人が淵の近くで安全に藤の花を見られるように、整備されている様子がよくわかります。
足元がしっかりしているので、安心してカメラを構えることができました。

よく見ると、川のあちらこちらに岩と川の境目の枝が渡してあります。

仁保Webサイトによると、

“地元の方が川の中から写真が撮れるように、梯子をつけてくださいました。”

出典:仁保Web

とあります。
地元の方の観光客に対する、温かな眼差しを感じます。

アクセスは車でOK!臨時駐車場も整備

もともと観光地ではないので、心配なのは駐車場でした。
道の駅「仁保の郷」から、歩いて行かれている方のブログも拝見しました。
調べて見ると、臨時駐車場が2ヶ所整備されています。

私が訪れたのは、GWの5月4日。
車は途切れることなく入ってきます。
回転も早いので、渋滞することなく、出ていく車の後に駐車することができました。

臨時駐車場の数も、長年の経験で整備されているのでしょう。

駐車場の光景

なお、Googleマップで「一貫野の藤」と入れると、案内が出てきます。
近くまで来ると、看板も用意されているので、迷いませんでした。

足腰の弱い人もOK!御坊淵は車道からも見える

募金箱と地名の由来の看板

小さい滝と藤の花が見られる撮影ポイントは、「御坊淵」と名付けられているようです。

帰り際にある光景に気がつきました。
向こうから、車椅子を押して来られる人がいたのです。
乗っているのは、80代くらいの男性。
押しているのは、娘さんのようです。
後ろからは、杖をついた80代くらいの女性が続いてきます。

「お母さんは下に降りたら?私はここから見るから」と娘さん。
確かに車道から、「御坊淵」が見えます。
撮影スポットほど近くではないですが、ほぼ同じ角度で景色が楽しめるでしょう。

足腰が弱った家族を連れて、自然の中で過ごせる絶好の観光スポットです。

自然と地元が作り出した「藤の里」の楽しみ

「一貫野の藤」の近くには、撮影スポット以外でも藤の花がいろいろな場所で咲いています。

臨時駐車場の近くには、花房をたくさんつけた大きな藤の木がありました。

花房がついて藤の木
駐車場から見た藤

帰り道では、色の濃い藤の花が車窓から見えました。
帰宅して調べると、八重黒龍藤という品種の藤のようです。

次回訪れる時には、もう少しのんびりと景色を楽しもうと思います。
しかし、ここは地元の人の手作りの観光スポットです。
民家はすぐお隣。
訪れる側もマナーを守りながら、「藤の里」を守りたい。
そう思わせてくれる、おもてなしと景色でした。

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