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余裕がない夜だけど綴りたい-ドラマ『彼女たちの犯罪』が最終回を迎えた-


今夜もあっという間に21時を過ぎた。

明日はまだ地獄の水曜日。
一刻も早く寝る準備をしなければ、私の体力は限界に近づいてゆく。

だけど、どうしても書きたい。
感情なんてまとまってないけど、今綴りたい。


毎日瀕死状態で帰宅する私のひそかな楽しみの一つが、ドラマ『彼女たちの犯罪』を観ることだった。それがついに最終回を迎えた。

大量に録画をしてあるドラマのうちの一つだったが、第一話からその世界観と、異様な雰囲気と、俳優たちの圧巻の演技に私は魅了されていた。

「この先一体、物語はどうなっていくの?」

普段ならドラマの続きを予測するなんてせず、ひたすら共感ばかりしているのに、
気がつけば登場人物の背景や、台詞にはない感情までを想像している自分がいた。

何より好きだったのが、普段キラキラしているはずの俳優・女優とは思えないほどの、なんとも言えないリアルな不幸せの空気感が、このドラマはどのシーンからも溢れ出ていたのだ。

私がテレビドラマを好きな理由の一つに、
[“こんな苦しい思いをして、もがき苦しみながら生きている人がもしかしたら本当にいるのかもしれない”という勝手な解釈で、この現実社会を少し生き抜こうと思えるから]というのがある。

なんともマイナスで捻くれた考え方だとも思うが、だって現実社会では、知人のキラキラした一部しか私は知ることができない。

だからドラマから、ドラマの中の台詞や行動から、勇気や希望をもらうんだ。

「気分の沈んだ、人生の闇のような部分すら、切り取り方によってはドラマになる、それは自分の人生でも。」ってな具合に。


一人の男性をきっかけに3人の女性が出会い、幸せを求めて不幸な結末に堕ちかけていく物語。

最終回は、楽しみにしすぎて2週間ほど眠らせていた。

仕事から帰ってはクタクタで、万全の状態ではないからと後に回していた。

面倒くさいのではなく、しっかりと最終回と向き合いたかった

そして今夜、ついに私は再生ボタンを押した。


もう何度聴いたか分からない主題歌も、物語に合わせて聴けるのはこれがラストか。

正直、一つひとつの場面や台詞を鮮明に覚えきれはしなかったが、私は30分もしないうちに涙を流していたと思う。

まだ私には分かりきれないけど、
どんなに恨みのある相手でも、子どもへの愛は止められないという描写。

他人からどう思われるかばかりを気にして、他人から見た幸せを手に入れるために自分の首を絞めていた描写、しかもそのループに陥るまで、その登場人物は本当に素敵で輝く存在だったことがまたリアルだった。

昔から闇を抱え続けていた者が、敵とも思えていた人に実は愛されていて、意外なところで人は誰かに認められ受け入れられていると伝えてくれているかのような描写。

すべてが胸にささって、久しぶりにラストにかけて号泣させてもらった。自分の中のいろいろな感情や嘆きが流れ落ちていくかのようだった。


“やめて、謝らないで、謝って簡単に終わらせようとしないで”そんな感じの台詞があった。
そこに、その人のそれまでの悩みや葛藤が凝縮されているように感じた。

「普通に幸せになりたかった」

ドラマなので、たしかに出来事の一つひとつが衝撃的ではあったが、小さな事柄も含めたら、これって自分も含めて誰にでも起こりうる話、少なくともどの登場人物の気持ちになり得るんじゃないかと思った。

個人的には、特に深川麻衣さん演じる繭美が妙にリアルだった。

すべてを手に入れているかのようで崩れ落ちていく、でもそれを自分自身が一番受け入れられない。過去が輝いていたからこそのギャップが激しい、こんなはずじゃなかった、、。

今でもオープニングとエンディングともに主題歌が頭の片隅に流れてくる。

オープニング。Summer Riotの、“La la la la la la ...”も、一気にその異様な世界観に引き込まれるようだった。


このドラマを見終えて思ったことを一言で表すのはとても難しい。それでもまとめるとしたらこんな感じだろうか。

どんな結末が幸せなのか、それは不幸にも他人には決してわからない。ただ、自分の口角が自然と上がる瞬間があれば、それが一番の選択なんだろうな。


(完)

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