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ビーラインドプロジェクトが二期目を迎えました!いつもありがとうございます!(代表レポート)

こんにちは。ビーラインドプロジェクト代表の浅見です。

6月27日をもってビーラインドプロジェクトが法人登記から二期目を迎えました!ご応援、ご協力いただいている皆さん、いつも本当にありがとうございます!この記事では、一期目の振り返りと二期目の展望についてご報告させていただきます。


1. 一期目のご報告

①組織の変化

グラマの販売開始と研修事業の拡大に合わせて、ビーラインドプロジェクトは2023年6月27日に一般社団法人として登記しました。
一般社団法人としての一期目の活動には、以下の2段階のフェーズがありました。

まず一つ目のフェーズとしては、法人登記をしたタイミングから2023年3月までの約9ヶ月間です。ここでは、これまでは「グラマを広めよう」というコンセプトで活動をしていた学生団体としての活動から、「視覚障害のある人もない人も一緒に楽しめる瞬間をより生み出していくために色々やってみよう」というフェーズへと移行した時期でした。

それまで「グラマ一本」で見ても見なくても見えなくても楽しめる瞬間を生み出そうとしていたところから、新たに別のプロダクトの開発、同行援護に関するサービスの開発、他の研修企業さまや職能開発センターさまと研修パッケージの開発、と様々なトライをしてきました。特に同行援護に関するプロジェクトは、2023年12月から2024年3月に集中的に取り組んだもので、初期段階は観光という切り口から試行錯誤をしており、50人以上の方々にヒアリング調査にご協力していただいた他、視覚障害者と晴眼者の大学生を対象に4回検証を実施させていただきました。さらに、40名の晴眼者の大学生にもアンケート調査にご協力いただきました。その時に得た様々な知見や仮説をもとに、現在では別のサービスの開発を進めています。

色々やってみたは良いものの、この組織を今後どうしていきたいのか、というのは代表の私でさえもなかなか見えてこない部分が多かったり、覚悟を持って前に進むことができていないフェーズでした。

ビーラインドプロジェクト設立から2周年の2月に実施した経営合宿の集合写真

そして今から約3ヶ月前の2024年3月末、私たちは新たなフェーズに突入しました。

それが、「学生の域を超えて、徹底的にインパクトを生み出していこう」と腹を括って前に進み始めたフェーズです。

去年参加させていただいた、株式会社丸井グループ主催のアクセラレーションプログラム「Future Accelerator Gateway」でのメンタリングや、2022年に参加させていただいた株式会社Panasonic発のアクセラレーションプログラム「100banch Garage Program」でのOBの方々との出会いなどを通して、代表個人としてもビーラインドプロジェクト組織としても様々な変化がありました。特に、「学生団体レベル」として視覚障害の業界に短期的に関わるのではなく、しっかりと長期的に「活気のある」インパクトを残していきたいという思いが明確になったことです。「グラマ」を軸に色々と活動を続けてきた中で得た手応えや、その中で見えてきた視覚障害業界の課題、そして何より沢山の方々からのご応援のお声やご期待が積み重なったからこそ、満を持してようやく固まった決意でした。それを踏まえ、「見ても見なくても見えなくても楽しめる瞬間で溢れる社会」を目指すために私たちがどのようなビジョンを描き、どのような事業を展開し、そしてその先にどのようなインパクトを残したいのかを、より長期的な目線で捉えるようになりました。

上記の「目線の変化」のタイミングで、ビーラインドプロジェクトの組織再編も行いました。大学院への進学や就活を考えていたメンバーが4名離れ、一方で長期的なビジョンに共感してくれた新メンバー3名が加入し、8名で活動をする組織となりました。
今回の組織刷新を踏まえ、しっかり腰を据えてより中長期目線でもどのようなインパクトを生み出せるのか、メンバー一同で少しずつ成果を積み重ねていきたいと思います。

優秀賞をいただいたときの集合写真。ビーラインドプロジェクトのメンバー3名に加え、丸井グループの伴奏社員2名と、メンターのLife is Tech! 代表の水野さんがいらっしゃいます。
特に数多くの学びと変化のあった「Future Accelerator Gateway」のファイナルピッチで優秀賞をいただいたときの写真。アクセラ期間中に集中的に関わってくれる外部メンバーとして、当時大学生だった子がプロジェクトにジョインしてくれていました。

また、どのように今後事業を進めていくのか、という組織の価値観を仲間や組織外部でご協力いただく方々とすり合わせを行い、ビーラインドプロジェクトの活動の根幹となる「VALUE」を策定しました。
策定背景などはまた別の記事をリリースする予定ですが、「VALUE」の具体的な内容については今回の記事の「2. 二期目の展望」にてご共有しますので是非最後までお読みいただけますと幸いです!

②開発事業

ビーラインドプロジェクトの一期目では、新たなボードゲームの開発プロジェクトやミュージカルワークショップのプロジェクト、就労支援や同行援護に関するプロジェクトなど、5つの開発プロジェクトを実施しました。

新しいボードゲーム開発では、3ヶ月間のプロジェクトとして外部から4名の学生にジョインしていただき、5名のメンバーで様々なプロトタイプの開発を行いました。そして現在は、そのプロトタイプのうちの一つである、見ても見なくても見えなくても楽しめるボードゲーム「しりとリズム」のプロジェクトを実施しております。これは、視覚障害のある大学生と晴眼者の大学生が夢中になって何度も遊べるような対戦型ボードゲームを作りたい、という思いから生まれたものです。ボードゲーム「しりとリズム」を商品化して世の中に行き渡るようにすべく、さらに外部のメンバー1名に短期的に加わっていただき、今年4月から4名のプロジェクトとして進行しています。具体的なプロジェクトゴールとしては、クラウドファンディングを実施して、各大学に設置されている障害のある学生を支援する部署などにお配りしていきたいと思っています。来月にはクラウドファンディングをスタートできるように、メンバー一同奮闘しております。

「しりとリズム」の検証のときの様子。視覚障害のある友人2名にきてもらい、プロジェクトメンバー4名と遊んでいたときの様子です。全盲の友達に晴眼者のメンバー4名は3度ボロ負けしました。
開発中のボードゲーム「しりとリズム」の検証のときの様子。
全盲の友達に晴眼者のメンバー4名は3度ボロ負けしました(笑)

また先日、多様な価値観を認め合える社会の実現を目指し「100人100日ミュージカル」などの活動を行うNPO法人コモンビート様の「Musical For All」の取り組みの協力団体に就任いたしました。
このことをきっかけに、見ても見なくても見えなくても楽しめるミュージカルワークショップのパッケージ化のプロジェクトも始動しました。コモンビート様からは3名、外部の学生からは3名、ビーラインドプロジェクトからは2名の合計8名の大規模な体制でワークショップの開発を進めております。それ以前からミュージカルのワークショップの開発は進めていましたが、前回開発したものをさらに面白いものにするべく、プロジェクト第二弾ということで再スタートしました。前回の様子は以下の記事にまとめていますので、ご興味ある方は是非ご覧ください。

その他にも、後天的に見えない、見えにくい状態になっても働けるようなカフェを立ち上げるプロジェクトや、同行援護を活用した新しいエンターテイメントサービスの開発プロジェクトなど、これまで9つのプロジェクトを立ち上げて、そのうちの5つを現在進行しております。その中でも就労に関するプロジェクトは、実現可能性の観点やリスクの観点から中断して来年度以降に先延ばしすることになり、数ヶ月かけて積み重ねてきたトライではあったものの今年度は断念せざるを得ませんでした。今後もそういった地道なトライは必要となってきますが、引き続き外部の方々や団体さま、企業さまにもご協力いただきながら、見ても見なくても見えなくても楽しめるものを真面目に楽しく生み出していきます。

③イベント事業

私たちが開発した「見ても見なくても見えなくても楽しめる」プロダクトを活用した場づくり事業のイベント事業では、北は北海道、南は福岡まで、全国各地で17回ほどのイベントを実施いたしました。合計参加者数は約1100人で、本当に多くの方々にご体験いただきました。

基本は「グラマ」をイベントのメインコンテンツとしながらも、新しく開発していたボードゲームやミュージカルワークショップなども活用しながら、検証も兼ねたイベントも実施してきました。また、その中でも2023年3月に実施したイベント「青春障害突破展」は障害の分野で活動する若手の集まるイベントとして、有楽町マルイにて実施いたしました。沢山の方々にご協力いただき、とても意義深い機会となったイベントとなりました。

「青春障害突破展」の詳細については、下記のイベントレポートまたは日テレNEWSさんのリンクからご覧ください。

また、一期目に実施したイベントの中で、特に心に残った機会としては24年2月に実施した都内の小学校での特別授業があります。
私個人は参加することは叶わなかったのですが、主にイベントやグラマの販売に関して取りまとめをしているメンバーのとび(飛川)が、帰ってきてから大興奮しながらミーティングにて報告してくれたのを今でも覚えています。晴眼者である子供たちにとっては、視覚障害のある人と中々普段関わる機会がないからこそ、最初はどこか不安げな様子でした。しかし、グラマを遊んでいくにつれて心の壁も壊れ、最後にはハイタッチして帰っていった姿がとても心に残ったようです。

グラマが成功し、視覚障害のあるスタッフと小学生がハイタッチをしている様子
上手く協力してグラマが成功し、視覚障害のあるスタッフと小学生がハイタッチをしている様子

私自身も、2022年4月の活動初期に小学生の子供たちが全盲の男性と交流していたときに全く同じ変化があったことを今でも覚えています。アイマスクをして杖をついて歩行体験をするだけのような体験などで終わらず、お互いに「楽しく」交流することの重要性を私たちは信じています。下記に特別授業のレポートのリンクを掲載しておりますので、是非ご一読いただけますと幸いです。

④研修事業

見ても見なくても見えなくても楽しめる、という視覚の壁を超えていく体験を研修としてより社会に広めていこう、という思いから研修事業はスタートしました。一期目では計5回のワークショップを企業さまや学校にて実施させていただき、約170名の方々にご参加いただきました。

研修として一期目に展開したものは主に以下の3つになります:
1. ダイバーシティ&インクルージョンワークショップ
2. インクルーシブデザインワークショップ
3. 【三社連携】障害理解・多様性理解ワークショップ 

それぞれの概要はホームページに掲載しておりますので、是非ご覧ください。

実施させていただいた数はまだまだ少ないですが、特に印象的だったのがとある大手日系企業さまでの「ダイバーシティ&インクルージョンワークショップ」でした。その企業に勤めていらっしゃる人事部の視覚障害者の方からのご要望でワークショップを実施させていただき、部署横断で合計30名ほどの方々にご参加いただきました。その際、最初は物凄く堅い雰囲気で始まったワークショップでしたが、次第にグラマを通して打ち解けあい、視覚の状態に関わらず、かつ役職の立場も関わらずにお互いの価値観や個人的なエピソードがグラマを通して共有されていく過程はとても素敵な光景でした。グラマが成功したときには会場全体で拍手が巻き起こったりする様も何度見ても嬉しかったです。

別のプロジェクトで就労に関してヒアリングをさせていただいたときには、とある視覚障害者の方が「フリーアドレスだけど一人だと動きにくくて中々他の席に行きにくい」「もっと晴眼者の社員さんとも仲良くなりたい」といった社内での交流に関する課題が根深くあることを伺いました。まだまだ研修事業は全国に広められていませんが、視覚の状態を問わず楽しめるエンターテイメントを活用したワークショップを通して、より働きやすくなり、見えなくても見えにくくても会社に行くのをさらに楽しくしていければと思います。

2. 二期目の展望

私たちの二期目はより多くの方々に仲間として加わっていただきながら、「見える・見えない・見えにくい世界」の当たり前をさらに変えていくためのカッコよくて楽しそうな波を少しずつ一緒に形作っていきたいと思います。より具体的には、今プロジェクトに関わっていただいている組織外部メンバーの方々や、協業先の方々とも協力しながら、現在進めているプロジェクトを着実に成功する形へと前に進めて土台を作っていきます。直近では、視覚障害のある人も働くことができて、かつ晴眼者も一般的なカフェよりも来店したくなるようなカフェの開業プロジェクトや、同行援護に関するサービスの開発プロジェクトなどが進行しています。会社全体で、事業化に中々苦労しているところではありますが、様々な仮説検証を繰り返していきながら価値あるものを世の中に残していきます。

ここで、ここまでこんなにも長い記事を読んでくださっている皆さんにお願いがあります。

私たちと一緒に、「見える・見えない・見えにくい世界」の当たり前を変えていく仲間になっていただけませんか?

私たちはより楽しくてワクワクする理想の社会を、5年10年の規模で描いていきながら活動を進めていきます。
それにあたり、今後は様々な形で多様な仲間を巻き込みながら一緒に「ワクワクする未来」を描き、行動を積み重ねていきたいと考えています。

そのために、私たちが同じ仲間として大切にしたい価値観を、ビーラインドプロジェクトの「VALUE」として言語化しました。それが以下となります。

新しく策定したVALUEを文章でまとめた画像になります。
ビーラインドプロジェクト VALUE(価値観・行動指針)

① BE LINED - 横並びの目線で、横並びの「楽しい」をつくる
活動に関わるどんな人とも横並びのフラットな関係を築き、視覚の状態を問わず心から一緒に楽しめる体験をつくり続けます。

② BE A TOUGH DREAMER - 理想を語り、堅実な一歩を重ねる
視覚障害を取り巻く「当たり前」を変えるのは簡単でないからこそ、目先の結果にとらわれず、目標を下げずに粘り強く努力を重ねます。

③ BE A FUN WAVE - 共感で終わらない、楽しい共鳴で仲間を増やす
活動に対する「共感」だけでなく、自然と仲間になりたくなるような楽しい「共鳴」を増やし、社会を巻き込んで大きなビジョンを実現します。

以上3つが、ビーラインドプロジェクトに仲間として関わっていく方々と共有したい価値観として策定したVALUEになります。策定した背景やその思いについてはまた別の記事にてご共有させていただきますが、概要までここで共有させていただきました。どれも2022年2月に団体を設立したときから積み重ねてきた活動を通して築き上げてきた大事な価値観です。少しでもピンときた方は、是非一緒にまさにFUN WAVE を作っていければと思います!

仲間としてご参加いただく形は4つあります。
1. ビーランドプロジェクトメンバーとして組織に入っていただく
2. ビーラインドプロジェクトが実施する3ヶ月から6ヶ月ほどのプロジェクトに単発で入っていただく
3. ビーラインドプロジェクトと新たに協業していただく
4. ビーラインドプロジェクトの活動の資金源としてご寄付いただく

組織として事業型NPOを目指ししつつも、まだ収益も安定していない段階なので1つ目の「ビーランドプロジェクトメンバーとして組織に入っていただく」仲間の形はまだ安定していないのが正直なところです。逆に2つ目から4つ目の仲間の在り方はどれもとてもありがたく、是非ご一緒できればと思っております!2つ目のプロジェクトベースでの関わり方は、新規プロジェクトが立ち上がった際には今後広報をしますので、是非私たちの活動をSNSをでチェックしていただけますと幸いです!3つ目の協業という形での関わり方は、私たち自身もまだ模索中ではありますが特に「見ても見なくても見えなくても楽しめる」プロダクトやサービスの開発プロジェクトにおいて、是非ご協業させていただければと思っております!

また、4つ目の「ご寄付」という形に関しては、1円のご寄付からでも是非お待ちしております!下記のSyncableという寄付サイトを利用しているので、ご寄付を通じて一緒に活動していただける方は是非下記サイトよりお願いいたします!

以上、大変長くなりましたが、二期目を迎えた私たちからの一期目の活動のご報告と、二期目に向けた展望のご共有でした。私たちはまだまだ未熟ではありますが、BE LINEDの目線、BE A TOUGH DREAMERの姿勢、BE A FUN WAVEのクリエイティビティを指針に「見ても見なくても見えなくても楽しめる瞬間で溢れる社会」の実現に向けて二期目も活動を積み重ねてまいります!今期も何卒よろしくお願いいたします!

一般社団法人ビーラインドプロジェクト 代表理事
浅見幸佑


ケーキが3つちゃぶ台の上に置いてある画像
p.s. まだまだ未熟な僕らはちゃぶ台の上にスタバのケーキを置いて食べました(笑)



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