ダメ人間が経営をするということ③ 女の園で辛かった話

就職情報誌編集をクビになり、次に入ったのが、イベントコンパニオンを派遣する会社。

バブル崩壊以前、展示会というと必ずMCやコンパニオンが採用されました。今では商品説明だのチラシ配りだのは社員がやるようになっちゃいましたが、昔はいちいち女性を雇っていたんですね。万博などになると数ヶ月単位で契約して、現地に移り住み、イベント会場で仕事して、終わったらまた次の会場へ……という流浪のコンパニオンもいたようです。

その、コンパニオン達を派遣する会社で、社員の多くは元コンパニオンという、おっしゃれさんが集まる女の園でした。

これがもう……なんていうか、めっちゃ意地悪でした。
新人が電話を取って先輩を呼ぶとき、社名を微妙に間違えると、
「なにそれ、そんな会社知らないわよ。ちゃんと聞き直して」
とか言われます。ささやかな間違いですよ、ナとマを聞き間違えた程度の。入社して1日目とかですよ、間違えずに聴き取れってほうが難しいですよね。なんなら初日から電話を取ったことを褒めてくれるくらいでもよくないですか。これを意地悪と言わずして、一体この世のなにが意地悪なの? 案の定、その子は3日程度で辞めていきました。グッジョブ。

一事が万事そんな感じでギスギスしているので、まず会社に行きたくない。
行きたくないから、朝になると具合が悪くなる。
具合が悪いから「休みます」って電話すると、「二日酔いなんじゃないの?」とか言われる。
そう言われたところで「そうです二日酔いですお休みなさい」でもないし、だったらなんだという質問です。

そこでは1年頑張りましたが、ストレスで血便出して辞めました。
まあ結婚決まったってのが一番の理由というか、会社辞めたくて結婚したというか。

仕事って、責任を与えられて任せられたら楽しいし、やる気も出る。
そして仕事の9割は人間関係で成り立っているので、人間関係がよければ会社は楽しい。会社が楽しければ仕事も楽しい。

仲間の文句を言うよりも、すごいなあ、好きだなあと思う方が仕事も頑張っちゃうんじゃないでしょうか。

短大生の頃、ベビーシッターのバイトしてました。
主に、息子さんを幼稚園に送り迎えする仕事です。そのお母さんがすごく「上手い」人で、「助かるわー」「いつもありがとう」「お茶代入れておきますね」と、とにかくかわいがって褒めてくれました。
もうすっかり乗せられて、低血圧で朝が弱いにもかかわらず、そして子どもが得意でもなんでもないにもかかわらず、バイトの日は5時半起きして息子さんを送りに行ってました。
楽しい仕事っていうのは、仕事の中身だけじゃなくて、人から求められてる感、役に立ってる感も大事です。

会社を経営することになって、いまのところ8割は経理のおばさん業務ですが、残りの2割で、楽しくやる気のある職場環境を心がけている(つもり)です。(できてるかどうかは知らん)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?