CUBITTS ワークショップツアー in London (前編)
現在、ブリンクベースで開催中のポップアップストアのCUBITTS(キュービッツ)ですが、元うちの店のスタッフで、今はキュービッツの職人としてロンドンで働いている新井くんに、その工房を案内してもらいます。
こんにちは、キュービッツの新井です。歴史的な40度を超える猛暑や、ジョンソン首相の辞任など色々と話題が絶えないロンドンですが、変わらず毎日フレーム作りに励んでいます。
そしてここ数日はブリンクベースで開催されるポップアップイベントで受注生産する予定のサンプルフレームをここロンドンで製作中です。その様子を一部ご紹介します。
まずは僕が働くワークショップからです。場所は北ロンドンのキングス・クロスというエリアにあります。ロンドンの玄関口であるキングス・クロス駅を設計した建築家のルイス・キュービットはキュービッツのブランド名の由来にもなっています。
少し離れていますが僕も北ロンドンに住んでいるので愛車のブロンプトンで通いやすいエリアです。このワークショプはアセテートフレームを作るほぼ全ての工程を行うことができます。
眼鏡のフレーム作りは製作工程が非常に多くブログでは書き切ることができないので、今回はほんの一部をご紹介します。まずは旋盤でフロントとテンプルをアセテートの板から切り抜きます。
次にこちらはアセテートの表面を削ることができる機械で、様々なシーンで使用しますが写真の様に主にテンプルの、顔横に触れる箇所の厚みを調整するために使います。地味な作業ですが0.1ミリ単位で調整するため難しく、かけ心地を大きく左右する作業です。
続いて眼鏡フレームには欠かせないレンズの溝を削ります。フレームによって溝の位置が異なるため高さを見極め、ずれないように慎重に削っていきます。
そしてフレーム作りで手間と時間のかかる工程の一つのやすりがけです。日頃はビスポークのフレームを作っているので、お客様の顔に合わせてデザイナーがデザインしたものを、しっかりと理解して、かけた時のことを想像しながら丁寧に行います。
次に折り畳めるように蝶番を付けましょう。ここで失敗してしまうと強度が弱くなったり、見た目が汚くなってしまうので職人の腕の見せ所でもあります。
かなり省略しましたが最後にバレル研磨をご紹介します。樽に木のチップなどと一緒にフレームを入れて工程ごとに2晩〜3晩回すことで、エッジを落としたり磨いたりしていきます。一度日本の工場をご覧になったことがある方は樽が小さいと思われた方もいるのでないでしょうか。その理由はここのワークショップでは僕を含めてフレームメーカー3人のみで全店舗分のビスポークフレームを毎日製作しています。そのため日本の工場と比べ一日に樽に入れる本数が少ないためこの大きさが適切なのです。
いかがでしたでしょうか。次回のブログではフレーム作りの後半の工程と、このワークショップで一緒に働くフレームメーカーを紹介したいと思いますのでお楽しみに!
後編は、以下ののURLからご覧になれます。
https://note.com/blinc/n/n72d70424283c
ブリンク ベースでは現在、ロンドンのCUBITTS(キュービッツ)の約300本近くの眼鏡やサングラスを取りそろえたポップアップストアを開催中です。
ぜひ、この機会にお気軽にお越しください。