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17歳の命日 / 1

消えたい気持ち/死にたい気持ちは
小学生の頃から持っていた。

幽霊も怖くなくて
その頃は妖怪と仲良くなって
ここから離れたい、神隠しにあいたい
と真面目に考えていたので
死ぬことは怖くない小学生だった。

ヒステリックを起こすと母親の定型セリフ
『あんたなんか産まなきゃ良かった。』
『あんたがいるから離婚できない』
『私ばかり大変な思いをしている』

男尊女卑の父親は
『女は役に立たない、息子しかいらない。』
『女に学歴は必要ないから成績良くても
意味がない、無駄だ』
『誰の金だと思っている?』

もうすでに自分が必要とされた子供ではないこと、親も兄弟も他人であることを学んだ。

自分が能なしでどんくさくて
役立たずだからいけないのだと

それならば、必要としてもらえるように
褒めてもらえるように頑張らないといけない
と勉強も家のことも努力した、
こっちを見てほしい認めてほしいとすがった。

でも何をしても認めてもらえなかった。

認めてくれないくせにバケモノ達は
『長女なんだから』『女なんだから』
『全部お前のせいだ』と役割を求め
責任をなすりつけ、私に呪いをかけ続けた。


無理していたのが苦しくなったのか
それをぶつける為と能なしの自分に対する
自己処罰で自傷行為が始まったのは
小2か小3の頃。

鋏や裁縫の針を腕や足に突き刺すように
なった。
血は出ているのに全然痛くない。
気持ちはラクになった。
自傷が逃げ道になった。


中学生で他人を好きになれない
自分を自覚し、自分を好きだと
言ってくる異性をわざと精神的に
傷つけるようになった。

異性でも【友達】は大切にしていた。

だけど私のことを何も知らないくせに
上っ面で近寄ってきて恋愛感情を持つ
異性に対して復讐しているような気分だった。
すっきりはするけど自分が大嫌いな
ままだった。


高校時代、家の中が更に機能しなくなり
自傷が酷くなった。

家では過食嘔吐を繰り返し
深夜から朝に手首、腕を刻む。

ついには日中、高校のトイレでも
自傷をするようになり制服が血だらけの
私をみて教師達は手におえないと投げ出した。
迷惑で周りの生徒に悪影響だし当然だと思う。

保健室の先生は『何がつらいの?』と
よく聞いてくれたけど
感情を抑え込む、無にすることに慣れて
しまった自分がつらいことなんてなかったので
聞かれても困るばかりだった。

既にこんなことになった原因が
埋もれに埋もれて見失っていた。

それでも外に傷をつくらないと気持ちが
しんどい。
もう左手首から腕に切りつけられる箇所が
なかったけど上からどんどん重ねた。

不登校、精神病棟への入院。
あまりその辺りは記憶が薄い。


退院した2週間後、17歳の 8月 31日
深夜、自殺しようとして失敗した。