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無軌道ポエム帖

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日頃思い付いたことを勝手気ままに。新聞のコラム欄的な
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2020年2月の記事一覧

いつも不満が零れる人

Webを見ていると、いつも何かに対して不満を書いている人を見掛けたりする。不満を持つという事それ自体は、何かしらの目標に対して現状に不足があることを自覚し、次へ向かう力にもなるわけで、そこまで悪いことではない。ただしかし、常に不満の声を上げているばかりというのは、何かしらよくない兆候ではないかと感じてしまうこともある。

1つには、理想とする器が大きすぎる場合。コップ1杯の水が提供される場に、一斗

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データを活かすということ

世間ではビッグデータだ機械学習だAIだと、大量の数値化された事象をコンピュータで処理して解を求める方法が流行りと聞いています。

かつては個人の経験によって支えられてきたモノが、技術の発達や複雑化によって、人の頭の中だけで処理するには規模が大きくなりすぎているのでしょう。

零細ながらCAE、コンピュータシミュレーションというものを生業としてやってきたもので、こうした新しい潮流に触れていかねばとは

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被りを恐れない

世の中には言葉が溢れている。

図書館や書店は言うに及ばず、インターネットも含めて日々世界の至る所で様々な言葉が紡ぎ出されている。それに触れることも比較的容易だ。

それらは無から生み出されているわけではなく、書き手がそれまでに読み解いた文書であったり、他者との会話であったり、種々の経験によって成り立っている。

あるいは、どこで触れたのか出典すら 記憶していないものが、何らかのきっかけでふと思い

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継続に必要なこと

強い熱意を持って事を始めたとき、熱が薄れればその手は止まってしまう。そして熱というモノは時間が経てば必ず減っていくものであり、持続には絶えずエネルギーを投入しなければならない。熱力学第二法則は人の精神にも当てはまる。

長く続けるなら習慣化せよ、と言われることもある。これは即ち慣性の法則によるものである。外部からの抵抗が無ければ、動いているモノは等速で運動をし続ける。

とはいえ、静止しているモノ

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最初の一歩はどう踏むか

悩む前にやってみればいいと人は言う。

実際にやった後になれば、確かにそのようにやってみたらよかったと振り返ることもあるでしょう。でもそれは、後になって思い返した結果。

右も左もわからないのにやってみろと放り出されたところで、迷わず恐れず一歩目を踏み出す蛮勇を持つなんて簡単ではないでしょう。

やってみればいい、落ちても受け止める準備がある。そのように言われるならば、チャレンジの気概が生まれるで

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言葉の重さ

世界には言葉が、いや文字が溢れている。

通信の発達によって、近年は画像や動画による発信が増えてはいるけれど、インターネットというのは文字による伝達が基本であったし、現在であってもその根幹はあまり変化していないと思う。

そして、文字というのはもっとも気軽に、そしてフラットに意見を述べられる道具だ。Twitterの広まりはそれに拍車を掛けたように見える。

気軽に述べられるが故に分別の無い物言いを

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創る人、使う人、伝える人

世の中の人は何が得意かでだいたい3種類くらいに分けられると感じています。

・創る人、クリエイター。新しいモノを考えついて形にする先駆者。
・使う人、ユーザー。クリエイターの作ったモノを利用して価値を生み出す人。
・伝える人、セールスマン。作る人と使う人を繋げる人。

使う人と作る人というのは円環の最初と最後みたいなもので、使っているうちに新しいことを思い付いて創る人に転じる場合が大半と思います。

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専門家の領分

作り話をしよう。

とある大きなホテルで火災が発生し、多数の宿泊客と従業員が建物に取り残されている。消防・救急は懸命に救助活動を行っているが、建物の規模が大きく多数の人員が関与することもあり、かなり切迫した様相を呈している。

そんな中、とある高名な防災の専門家が現場を訪れ、建物の避難設備やルートの設計、救助隊の突入手順などについて隊員に話をしようとした。しかし現場のトップに話が通っていたわけでは

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正しく恐れるとは

恐れというものは、対象のことをよく知らない、得体が知れないものであるという場合に生じる心の状態だと考える。

未知の事象を恐れるということは、生命の自己保存本能に他ならず、危険を回避することは当然に必要な能力ではある。

未知のものであっても、観察や接近を繰り返すことにより正体が明らかとなり、特段危険ではないと判断出来れば恐れはなくなる。慣れというヤツだ。

一方、観察を続けた結果、やはりこれは生

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