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【わたしの本棚】鏡の国/岡崎琢磨

2024.4.19

オーディブルで
岡崎琢磨さんの『鏡の国』を聴いた。
初めはなんとなく聴いていたけれど、途中から惹き込まれていき、最後のパートで明らかになる真実に、「え、なに!?そっち!?」と驚かされた。
驚きの種類を例えると、アガサクリスティ作品である『アクロイド殺し』みたいな感じ。
思い込みにしてやられたな、という感想。

身体醜形障害の響と、顔に火傷の痕がある郷音と、相貌失認の伊織。

私はこの作品を聴いて、改めて無知は怖いと思った。こういう病気があるんだと知っているのと知らないのとでは全然違うと思う。

例えば、自分の前髪が気持ち悪いと思い込んで
鏡の前に立つとそればかりが気になり長時間動けなくなって、遅刻をしてしまうこと。
他の人から見たら全然変ではない前髪を整えていて遅刻、というのはやっぱり病気を知らない人にはなかなか理解をしてもらうのは難しいと思う。

私は、この作品で初めて知ったけれど
知れて良かったと思った。
だって、そうなってしまうのはその人が悪いわけではないのだから。

3人の関係性に、最後まで読むととても心が温まった。


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