見出し画像

ジュエリーブランド Blanc coco (R) の代表兼アートディレクターYuに聞く:デザイナーへの道 part 2

ハワイをはじめニューヨーク・東京・ロサンゼルスで活動するアートディレクターYuさんのデザイナーになるまでのストーリー。
前回のPart 1(高校からデザイン学校進学まで)はこちらから。
今回のPart 2では就活から就職までのお話を伺いました。


就活サイト「マスメディアン」に登録

⸺ Yuさんが取り組んだ、デザイナーの就職活動について教えてください。就活サイトに登録後、企業にエントリーするといった形でしょうか?

Yu : 「そうですね。いくつかのサイトに登録しましたが、クリエイターやデザイナーのキャリアアップをサポートしてくれる『マスメディアン』という転職エージェントを主に活用しました。
『マスメディアン』は登録の際に自分のポートフォリオを提示する面接が必須となっていて、登録後は担当者からの的確なアドバイスを受けることができます。
また担当者がデザイナーの能力と合わせて人柄も含めて企業に紹介をしてくれるため、よりスムーズな就活を行うことが可能です。」


デザインからプロダクト制作の工程・現場を学べる会社へ


⸺最終的に就職された企業はどのような点が決め手になったのでしょうか?

Yu : 「就職後の流れとして1年目で学び・2年目で自分のスタイルを確立・3年目で会社に貢献というイメージをしていました。
当時の私は、デザインをゼロイチで生み出すよりも、かっこいい商品や、プロダクトの制作過程に興味がありました。
デザイナーでも海外出張が多くあることに憧れ、生産の一連に関われることが1社目の決め手になりました。
現実は大変でしたが、任せてくれる会社だったので、経験を積むには最適な環境だったと思います。」


⸺自分が身につけたいスキルを明確にしてそれを学べる企業を選ばれたということですね!入社後の実務はどのようなことをされていましたか?

Yu : 「最初にデザイナーとして就職した会社には10年ほど在籍し、ディレクターになりました。
有名企業やブランドのODM/OEM、プロモーションなどをメインに1000案件以上携わったと思います。
今と違って、当時はデザインコンペが多く全てオリジナルで商品を提案し、製造、管理することができました。
文房具からフィギュア、コスメなどの雑貨類、アパレルなどの縫製品から成型品の立体物まで様々なものづくりを経験し、億や数千単位の大規模な案件を動かすことも多く、やりがいのある環境でした。
私の担当はデザインを含め日本と海外のボーダーのやり取りで、取引先の営業的な対応を海外との連携を行いながら、納品まで約3ヶ月から半年かけて複数掛け持ちして行います。
ざっくり言うと、デザイン提案、見積もり・発注、商品仕様確定・承認、生産スケジュール調整、サンプル作成から本生産、検品基準設定・品質管理、輸入関係などものづくりに関わるすべての指示出しと入稿作業、調整や問題解決を行なっていました。
ロット数が多い場合は現場での詳細な確認が必要になるため入社2ヶ月後には国内をはじめ中国・ヴェトナム・香港などの海外出張に一人で行っていました。」


⸺入社後すぐに即戦力としてキャリアを積まれたんですね!デザイナーとして会社で学んだことを教えてください。

Yu : 「現場ではジャッジの連続でした。そのおかげで、商品作りの量産性とコストを踏まえて、何が可能で不可能なのか、しっかりとした知識が身につきました。
リスクヘッジや現場力もつきました。
あとは、説得力ですね。
工場側で不可能だと言われたことも、自分の経験と知識があることで可能にし、結果を出すことの積み重ねが現場との信頼関係を作ることにも繋がりました。
何よりも『良いものを作りたい』という情熱が伝われば、言葉は100%通じなくても工場の人々が協力してくださることも学びました。
机上の空論だけで理想を押し付けていても人は動きません。
デザイナーとして、自分がデザインしたものを工場で工員の方たちが作業している工程を間近で見て判断をし、一緒に考える姿勢が、人の心を動かすのだということを体験し『人が作る』ことの本質を学びました。」


デザイナーから管理職へ キャリアアップのため転職


⸺デザイナーとして素晴らしい貴重な体験をお仕事で得たのですね。
その後キャリアアップのため転職されたということですが、転職したきっかけと選んだ会社の決め手を教えてください。

Yu : 「就活サイトの『マスメディアン』を通して2社ほど、ヘッドハンティングの形で指名をもらっていました。
制作側の会社から企画側に転職することで、自分の目指しているキャリアアップに繋がりますし、1社目で学んだことを外の世界で生かすことが会社への恩返しだという言葉を胸に転職を決意しました。」


⸺デザイナーから管理職へキャリアアップの第一歩ですね! 入社後の実務はどのようなことをされていましたか?

Yu : 「商品企画部のマネージャー(管理職)として、自社ブランドとto B向けの新たな柱を構築するための基盤作りと新卒教育を任されました。
ドラスティックに全体を変え、入社半年で前年の売り上げの5倍の受注数を獲得し、4月の決算の時に社内表彰され手応えを感じました。
一社目で築いた人間関係に大きく助けられたことも感謝しています。
後輩たちの目指すキャリアを考慮しながら指導していく中で信頼関係が生まれ、デザインとは違うやりがいも感じていました。
同時に、責任が重くなるほど、男性社会の中で気を張って業績を伸ばしていかなければならず、女性としてキャリアを積むことの難しさも体験しました。
またマーケティングから導き出された結果を残したとしても、デザイナーとしてリアルな体験を通したインプットの時間が取れず、もっと自分にしかできない世界観を表現したいと思うようになり、忙しい日々の中常に焦っていました。」


⸺ものづくりの現場から始まり、企画・ディレクションなどの生み出す側、管理職側としての数字のコミットや人材育成など、Yuさんは様々な経験を企業を通して学ばれたんですね! 

MIKIより
Yuさんのデザイナーへの道の過程から生まれた知見やビジョンが、BLANC COCOの立ち上げへと繋がったと思うと、とても感慨深いです。
ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?