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「黒鳥の歌」の前にまずは「鳥の歌」を…烏ではありません

遠くミラノから特派員Aの思念が飛んできます。「noteかけーnoteかけー」

無言のメッセージって言葉よりもビシビシ伝わってくるのですよね。われわれの場合は一緒に弾いてるときと似ているかも、お互いに。

さて、ベルリン特派員ミヤガワ、前回のnoteデビューでは緊張のあまり(?)筆が暴走し「では次は黒鳥ジャーナルLiveを!」となんとか締め括ってホッとしたのも束の間

『まずはそれぞれのソロを紹介しようよ、note読む人は私たちの演奏知らないんじゃないかな?!』という鶴ならぬ旅烏の一声で、瞬時に覆されました。

うん、そうね、そうしよう。

しかしながら、捻ったオモシロイ曲選びと鋭い演奏でコアなファンが多い黒田亜樹嬢のステキな音楽と文章のあとに、不肖凡烏はどうしようかな。

と首を捻ってみた選んだのがこれ、カタロニア民謡「鳥の歌 Cant dels ocells」

Theチェロの名曲、おまけに黒い白鳥へ鳥つながり。

これはチェロの神さま、20世紀最大のチェリスト、パブロ・カザルスの演奏で世界的に知られることとなった彼の故郷カタロニアのクリスマス・ソングです。ファシスト、フランコ将軍によるスペイン独裁政治の圧力に負けず、音楽で反旗を振りかざしたカザルス。チェロを背負って世界に自由と平和を訴えました。

こちらカザルスの1971年の国連でのスピーチ、御年94歳!その言葉のなんと重く心に響くことか。

(スピーチの日本語訳があって良いなあと思ったのですが、このミックスがまさかのイントロだけでちょっと驚きます。。。ごめんなさい)

ちなみにカザルスはその10年前にケネディ米国大統領によってホワイトハウスに招かれてコンサートをしています↓

フランコ政権を容認する国への抗議として、1938年以来アメリカでも一般公開の演奏を中止していたカザルスがこのとき演奏したのは、就任して間もないケネディに世界平和への一縷の期待を持っていたからという話ですが、これが1961年11月13日のこと、そしてケネディは1963年11月22日に暗殺されました。訃報を聞いたカザルスは衝撃を受けて41歳下の政治家の死を悼んだといいます。

これからヴィラ=ロボスのことをたくさん書くことになりますので、チェロ・アンサンブルにも触れないわけにはいきません。

ここではカザルス作曲の「サルダナ」をお聴きいただきましょう。1956年10月パリ・ソルボンヌ大学講堂にて録音なんと102人のチェロ・アンサンブル、圧巻!

サルダナとはカタロニア地方の伝統舞踊のこと。私もバルセロナの広場で人々が輪になって踊るのを見たことがあったなあ。現地の人が、毎日曜日に集まるんだよと教えてくれたっけ。カザルスさまについてはまたいつかぜひ!

と、ここでお恥ずかしいのですが、わたくしめの動画を貼っておかなくては。まあ、もし何か言葉を付け加えるとしたら、普通はこの曲はピアノとか、オルガンと弾くことが多いのですが、私は何故だか一人で弾きたくなるということかな。

↑確かその昔に日本でリリースされたデビューCDにもいれることになったのですが、この時も無伴奏でと言い張ったはず、、、たしか、、、たぶん。

では、そろそろベルリンもおやすみタイムになりつつあるのでこの辺で。

ベルリン特派員の水谷川優子でした。





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