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子供と微笑みの神様

これは私が電車の中で見かけた実話です、多少誇張した表現は有るかもしれませんが、子供は親の背を見て育つ、子供が素直なに育つことを祈らずにはおれませんでした。

樟葉駅であったろうか、電車に若いお母さん二人が子供と乗り込んできました。

その一人のお母さんの子供。歳頃は4歳くらいだろうか、電車が動き出した拍子によろめいて母親の足に当たったようだ・・・「痛いなぁ…気をつけんかい」と子供を小突く。

子供は叱られているのに慣れているのか泣く様子もなかったのだが・・・。

やがて子供は電車の椅子に座っていた、自分で座ったのか座らせたのかはわからない・・・。

クリアケースには折り紙が何枚か入っていたのだが、それが座ったときに床にまき散らしてしまった、そうしたらまた母親が小言を・・・ちょっと子供はしょぼんとしている。

電車はさほど混んでいなかった。

そんな折だった、再起程からの一部始終を見ていた、子供の向かい側に座っていた50代くらいの男性が、ニッコリと微笑んだ、子供も男性の顔を見て微笑みを返している。

初老の男性は嬉しくなってたのだろう、今度は面白い顔をしたりしかめ面したりしている。

それを見た子供に更に笑みが浮かぶ。

そばで見ている、私もなんだかほっこりしてしまう。

子は親の背中を見て育つと言うが、親に愛情を注がれない子供ほど不幸なものはない、子供時代の経験が今度は自身の子育てに影響してきたりする。

母親も、もしかしたら子供の頃はきっと今の子供にしているような育て方をされたのかもしれないが、ちょっと子供のことが不憫に感じてしまった。

途中の駅でその親子は降りてしまったが、子供に幸多かれと思ってしまう。

そして、先ほどまで向かい側に座っていた初老の男性もいつかその姿は消えてどこにもいない・・・。

きっと微笑みの神様が子供ために下りてきたのかもしれない。

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