ライブで泣くのを我慢しない
THE BAWDIES「POPCORN TOUR 2024」
7月7日 名古屋ダイアモンドホール。
THE BAWDIESのライブは、とにかく楽しい。もちろん最高にかっこいいんだけど、どうしても楽しいが勝ってしまう。あんなにも「楽しい」という表現が適切なライブは他にないと思う。
初めてライブに行ってからもう10年近く経つが、地元に来る時は必ず参加する。なぜなら、楽しいから。絶対楽しいってわかってるから。
「今日全部を出し切って空っぽにして、明日から新鮮な空気をたくさん取り込んで過ごしてほしい」
ボーカルROYはいつもそう言って、全力のコールアンドレスポンスをオーディエンスに求める。我々はそれに全力で応える。
飛び跳ねながら、顔をくちゃくちゃにして笑いながら、私は泣いていた。なぜだかはわからない。でもとにかく楽しくて、幸せで、涙が出た。私の人生にTHE BAWDIESがいてよかった。音楽が、ロックンロールがあってよかった。そんな初心者みたいなことを本気で思ったりなんかしていた。
ライブ中は誰も私のことを見ていない。みんなステージを見ているのだから当たり前だ。私が笑っていても泣いていても、誰も見ていないし気にも留めない。だからこそ、私は自分の感情に素直になれる。
「感動」とは「感情が動く」こと。楽しい、悲しい、怒り、切ない。音楽でも映画でも芸術でも、どの方向かに関わらず、感情が揺れ動かされる、あの瞬間がたまらなく好きなのだ。
楽しかったら全力で笑って、感動したらものすごく不細工な顔で泣く。感じるままに体を揺らして、何もかもを解放する。それがいとも簡単にできるのがライブという空間なのだ。普段からできればいいのだけど、私の場合、自分の感情を曝け出すというのは結構難易度が高い。
意味のわからないタイミングで泣きそうになっても、我慢はしない。する必要がないから。だから私はライブ中泣きたくなったら素直に泣くことにしている。ここぞとばかりに。
私がライブを愛する理由は、ただ音楽が好きというだけでなく、何も考えず我慢せず、一番自然体でいられるからでもある。私にとってはただの娯楽を通り越して、生きていくために必要な時間なのだ。
ロックンロールは愛だ。
誰にでも平等に与えられる無償の愛だ。
私はこれからもロックンロールという大きな愛に包まれて、自分らしく生きていく。
なぜだかそんなことを大真面目に思ったライブだった。
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