【エッセイ】興味のその先へ。物より体験を選ぶようになった、新しい私
テーマ:3ミリ新しいわたし
大人になったらみんな当たり前のようにブランドバッグを持つものだと思っていた。服も、百貨店に入っているようなブランドで買うんだと思っていた。
なのに実際は、年々ファッションにかける金額は減っている。大学生の頃の方が圧倒的にお金がなかったのに、たくさん服を買っていた。
物をたくさん買うことが悪いとは思わないが、私の中の優先順位が変わったのは、きっとこのヨガ合宿がきっかけだと思う。
30万円あったとしたら、ブランドバッグを買うのではなく、習い事に使いたい。
服全部ファストファッションでいいから海外旅行したい。
この価値観の変化は、年齢の変化と比例する、というのも一部ある。二十歳そこそこでヨガを始めていたとしても、こうは思わなかったかもしれない。
「お気に入りのファッションを身に纏い、バッチバチにメイクして、馬鹿みたいに高いヒールで街を闊歩したい」気持ちと、
「汚れてもいい服で砂浜や芝生に寝転んだり、少し肌寒い空気の澄んだ日にベランダで毛布にくるまってコーヒーを飲んだりしたい」気持ちが私の中に両方あって、
どちらも大好きだけど、歳を取るほどに後者の割合が増えていく。
何かを買おうか迷った時、「買ってもどうせ死ぬ時持っていけないしな」と思うようになり、しっかり師匠の教えが根付いている自分がちょっとおかしかったりもする。年齢のせいもあるとはいえ、物よりも体験を大事にしたいと思えるようになったのは、あの例え話がすごくわかりやすくて、そして実際に素晴らしい体験をして、めちゃくちゃ納得してしまったからでもある。
もちろん、その体験をするためにはお金が必要な場合が多いわけだから、正直お金はいくらでも欲しい。全然5千兆円欲しい。例えお金を手に入れたとして、そのお金や時間の使い道は、きっとヨガに出会う前と後では違うだろう。そして、お金にも物にも人にも、執着はしないようにしたい。
自己啓発本とか、先生のありがたいお言葉とか、世の中にはいろんな「こうしたほうがいい」がある。その大半は、こうしたほうがいいのはわかるけどまあ、ねえ。と、せんべいぼりぼりしながら他人事として終わってしまう。それらを本当の意味で理解する、自分のものにするには、何かしらの経験が必要なのだと思う。
興味がある。知りたいと思う。好き。楽しい。
何かに対して少しでもこれらの感情を抱いたのなら、見逃してしまってはもったいない。その先にきっと何かが見えてくるはずだから。
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