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詐欺の手口を知ることがあなたあなたのお金を守る

第17回 

マルチ商法「マーケットピーク」詐欺事件





<暗号資産の投資をうたい、不正な勧誘を行った疑いでマルチ商法グループの男ら9人が逮捕されました。
 警察によりますと、東京都港区の無職 坂本昂洋容疑者(33)ら9人は、去年6月上旬から9月上旬までの間に、複数回にわたり、消費者との連鎖販売取引の契約の際に、法令で定められた契約書等を交付せず、また、契約の解除を妨げるために本当ではないことを言った「特定商取引法」違反の疑いで逮捕されました。>ニュース記事より

「マーケットピーク」とは?
その手口と被害
実態と今後
まとめ

マーケットピーク

 アラブ首長国連邦のドバイに拠点を置く「マーケットピーク」という会社が発行する暗号通貨「ピーク」への投資をすすめるものでした。
「マーケットピーク」から1万ドル(140万円)を払うと、暗号資産「ピーク」を1万2000ドルがもらえるというものです。
 さらにこの暗号通貨が値上がりすれば、資産は増えます。
そして友人知人を勧誘して入会させれば、その人の分を紹介金としてお金が入る、という 5つの報酬プランがあり、マーケットピークを紹介・勧誘できた分だけ報酬が貰えるというものです。

その手口と被害
 近年SNSを通じて若者に「マーケットピーク」の投資話が、広がっているものでした。まずは、ツイッターやインスタグラムで近づき、知り合いになります。ただし、そこで投資の話はだしません。
 しかし、羽振りの良い生活を、その様子を写真や内容に入れて相手に伝えていきます。
「2400万円の車に乗って、東京タワーが見えるタワマンに住んでいます」
札束を数える姿もあったそうです。
 どうして、そんなにお金があるのか、儲かっているのか?気になって質問すると、「マーケットピーク」の話を出してくるわけです。
 友人関係を構築してから、親しい仲間への特別な情報を提供するよ、というわけです。自社の仲間たちとセミナーを開きそこに勧誘していくことも多々あったようです。
 そこでは「月収2億円です。月収ですよ、月収」
と講師らしい若者が同じような若者に叫んでいました。

暗号資産の運用とマルチ商法を組み合わせたこの投資案件で、騙された人とその金額は?
 その被害額は 約2500人から7億7000万円以上を集めたとみられています。

実態とその後

「マーケットピーク」は仮想通貨を買わせるという方法よりも、紹介、勧誘に力を入れていた、マルチ商法の側面が強かったようです。
上記のセミナー以外にも、個別に勧誘をしてマンションに誘ったり、大学の友人を勧誘したり、SNSで「だまって月に20万円入ってくる」などと
うたい、それに興味を持った若者をターゲットにしました。
 仮想通貨の購入は後半、ほとんどなく、勧誘した人が支払うお金に目を付けており、
 そこには細かい勧誘のノウハウがありました。
「アポ取り3原則」というものがあり、それは「お願いをしない・声を2トーンアップ・内容を話さない」の3つです。
 下手に出てこれを買ってくださいというのはでなくこの商品に自信があると見せ、その際に声を2トーンアップして強調して、詳しく内容を話さず相手の解釈に任せる、という内容です。
 他にも「マーケットピーク・マルチ・ねずみ講・いつ空いている?」というワードはNGで、代わりに「エムピーやMP(マーケットピークの頭文字)・ドバイの事業・Bigプロジェクト・○日と○日のどっちが空いている?」などと言い換えるなど細かい指導があったといいます。

坂本昂洋容疑者

仮想通貨の「ピーク」はすでに暴落しており、価値がありません。
 また、海外の会社(おそらくはペーパーカンパニー)への流失した資金の回収はほぼ不可能です。逮捕された容疑者たちから民事訴訟で弁護士がどれだけ回収できるかはわかりませんが、被害者全員にお金が戻る見込みはとても低いです。

まとめ

今回も知識の少ない若者、大学生が狙われました。
「ねずみ講」「マルチ商法」という言葉を知らない若者です。ネットワークビジネスといえば正当化するものではありません。結局、情報弱者が被害にあっています。
 この「マーケットピーク」のセミナーに、あるユーチューバーが参戦して告発の動画を流しています。
 そこには、大勢の若者がいますが、なんでそこのセミナーにいるのかわからない、危機感のない若者たちの姿も映されています。
 ユーチューバーが「これ詐欺ですよ!」と叫んでも、なんだかわからずに薄笑いをしている女の子たち、、自分には関係ないという態度(被害に巻き込まれていることにも気づいていない)そんなセミナーに参加している若者の姿が印象的でした。
 自分が置かれている状況を把握しておらず、騙されているかもしれないという危機感がありません。
 若く、勉強して大学に入り、人が自分を騙してくるということが想像できない安全な環境で育った日本人の若者、それは幸せな事ですが、一方とてつもなく危険な事だと思いました。






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