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哉村哉子
2017年3月13日 12:17
質問、とわたしは言う。いつものだね、と同居人は言う。そのことに彼女が鳴れてしまっていることに、わたしは不思議な感慨を覚える。あるいは少しがっかりする。彼女は徐々にここに、この場所、わたしのいる場所に、最適化しつつあるように見える。それはいいことなのだろう。もちろん。「あなたはなにですか?」 同居人は首をかしげる。立てた膝の上にうずくまっていた長い髪がさらりと落ちる。同居人はソファにすわっ