19.1.6 なぜ日本ではスポーツ選手が競技以外のことをやると批判されるのか
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先日、ダルビッシュ有さんがTwitterでYouTubeを見ていたり、ツイートをすることに対して否定的な意見がダルビッシュさん自身のアカウントにコメントされていました。
内容としては
プロなんだから暇があったら野球の練習をしろ。TwitterやYouTubeなんかやっている場合ではない。
簡単に表すとこのような感じです。
このような方々が考えるプロフェッショナルとはどのようなものでしょうか。
「一つのことを極めることこそがプロ」という固定概念のもと、研究者や職人といった「スペシャリスト」がプロフェッショナルの象徴で、その分野を極めるためには24時間すべてを費やさなければならない。それこそが全てだ。
という価値観を刷り込まれているからではないかと考えています。
この価値観はある意味、戦前までは正しかったのかもしれません。
通信手段もほぼなく、現代ほど容易に他分野の意見を聞けないであろう環境を想像すれば、頼りになるのは己の頭脳と肉体のみです。
その点からすれば、考える時間や取り組む時間の長さが他者との優劣を決める大きな要素だと言えるのです。
ですが今は通信手段が豊富でしかも速い。スマートフォン一つあれば地球の裏側までリアルタイムで意見交換ができますし、ほとんどの情報収取はインターネット等で済むような環境です。
確実に、昔ほど特定の分野に時間を割かなくても結果を残せる時代になっています。
また、質が悪い?ことに最近まで(もしくは今でも)部活の指導者から「お前は○○でメシを食うんだから〇〇だけやっておけばいいんだ」という指導をされている人もいたことで、「そのスポーツに集中していたのに、その世界ではプロになれなかった。だったらプロになっている人たちはもっと集中していたに違いない。」
というよくわからない理論が成立しているのかもしれません。
もちろんどのスポーツも技術練習が大事であるという意味で、競技について考えることは必要です。
ただ、どういうスポーツかを細かく考えていくと、
肉体を使う
筋力が必要
対象物(野球の場合はボール)を目で追いかけるので眼球運動の正確性がいる
関節の可動域も大事
同じ動作を繰り返す再現性も必要
疲労していると再現性が低くなり、正しい動きができなくなると故障を誘発するから適切な練習時間は〇時間程度
疲れを翌日に残さないためにはどういう栄養素が必要か
睡眠時間は何時間確保するべきか
などなど細かくわけられます。
トッププロはそれを踏まえたうえでトレーナーに相談をしたり、監督コーチと話し合いのもと生活をしているので、タイムマネジメントや自己管理能力は一般人と比べものにならないでしょう。
あとは単純に競技以外の分野で時間を使うことで、気分転換を図っているだけだと考えられます。
プロスポーツの世界には絶対的な答えがないので、あえて関係のない分野に時間を割かないと脳がパンクしてしまいます。
あなたが会社員だとしても、その仕事でお金を貰っている以上「その分野のプロ」です。「プロなんだから暇があったら仕事をしろ。休む暇はないし趣味なんて必要ない」と言われたらどう思うか考えればそれで済む話です。
最後は少しきつい表現になりましたが、プロスポーツ選手も同じ人間です。僕たちと同じような趣味を持っていると考えたら親しみを感じやすくなりませんか?
敬意をもって、広い心をもって人に接することができるようになりたいものですね。
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