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自動寝返り支援ベッド【ターンオール】

昔の同僚で理学療法士のフレデリックが、福祉テクVarodd社に転職して福祉用具専門職についたことで、LinkedInでよくVarodd社の製品を紹介してくれるようになりました。

その中でとても興味深い、かつ私自身もとても使ってみて良い経験がある自動寝返り支援ベッドを紹介していた投稿があったので、今回はその投稿の一部を紹介させてください('◇')ゞ


1.自動寝返りターンオールってなに?

「Turn All」は、在宅ケアや介護施設向けに開発された、自動寝返りシステムです。このシステムは、褥瘡(床ずれ)のリスクが高い利用者を対象に作られています。患者の快適さを維持しながら、介護スタッフの負担を大幅に軽減することを目指しています。


出典 Varodd社ホームページより
  • 0-30°の自動寝返り機能:褥瘡の予防と治療に効果的です。

  • どんな介護用ベッドにも対応:取り外し可能なマットレスがあれば、どの介護用ベッドにも取り付け可能です。

  • スタッフの時間を節約:治療リソースを解放し、他のケアに集中できます。

  • やさしい寝返り:重い患者さんや痛みを感じる利用者にも優しく対応します。

  • 睡眠を妨げない:患者の睡眠を妨害しない設計です。

  • 簡単な設置と操作:取り付けや操作が簡単です。

  • 選べる寝返りサイクル:30分、60分、90分ごとに寝返りを設定できます。

  • 自動運転の時間設定:自動運転の時間を設定可能です。

  • 緊急時用CPR機能:迅速に空気を抜くことができます。

  • マイクロクライメイトと血行改善:患者の環境と血行を向上させます。

  • 堅牢で耐久性のある交互圧マットレス:長く信頼できる製品です。

  • アラーム機能:停電時にはアラームが作動します。

Varodd社の製品紹介HPはこちらから

2.内部レポート~医療者と患者の感想~

Varodd社はノルウェーのある病院で、少数の内科患者に対して2ヶ月間この寝返り支援ベッドを使った症例・医療者からの感想を紹介しています。

👉🏻新たな褥瘡(床ずれ)は一切発生しませんでした
👉🏻褥瘡の初期段階にある患者では、赤みが一日で消えました
👉🏻患者の肌は乾燥が保たれています
👉🏻患者さんたちはTurnAllの使用に高い快適性を感じています
👉🏻睡眠の質が向上したと報告されています
👉🏻このシステムを使うことで、患者さんが自分で動きやすくなっています

スタッフもTurnAllに大満足で、時間の節約になると報告しています。また、以下のようなコメントも寄せられています。

💬「とても時間の節約になります。患者さんによってはベッド上での介助されながらの寝返りがストレスになることもありますが、システムのおかげでその不安が軽減されました。」

💬「はい!私たちの負担も減り、時間も節約できる上、寝返りを怖い・痛いと感じている患者さんにも大きな快適さをもたらしてくれています。」

上記レポートは途中経過らしいので、今後最終レポートを作成してまた報告してくれるそうです。

原文投稿記事はこちら(注:ノルウェー語です)

3.私自身の経験・感想

前職の地域リハをしていたとき、MSだったかな?神経系疾患で車いす生活、要介護の高齢患者さんがいて、その際これに似た寝返り支援ベッドをもっていた方の在宅リハをしていました。その時やはり同僚の看護師さん・介護士さんはとても負担が軽減したととても喜んで使っていました。

利用者さんご本人も、非常に「他人に迷惑をかけたくない」といつも涙を流しながら私に話をしていてくれるほど、心の優しい繊細な方で。そういう意味でもただ単に褥瘡(床ずれ)を防止できるからというだけではなく、本人のレジリエンスやエンパワーメントを強めることができる製品だなぁと感激していたのを覚えています。

福祉用具の評価って、ただ単に予防処置のみのものではないんですよね。本人のまるごとを理解して、評価して、何がベストかを一緒に考えていく、そのプロセスにとても意味があると思います。

たとえ自分が「Aさんにはこのベッドが一番最適」と⦅医療者の自分が分かっていても⦆、本人の希望や環境への配慮から結局《別のベッドにする》、という場面にはよく遭遇していました。

リハビリってそういう事が多いと思います。白黒ハッキリできなくて、そのプロセスこそに意味があって。

今後またVarodd社からの最終レポートがでたら、ご紹介させてください♪

それではまた!

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