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転倒予防だけでいいの?~その①~


1.年間で発生する股関節骨折は世界トップレベルのノルウェー

ノルウェーは年間約9000件の股関節骨折が発生しており、世界でもトップクラスの件数です。股関節骨折は機能レベルを低下させ、生活の質を悪化させる場合がほとんどです。全ての老人ホームへの入居のうち、40%は転倒による怪我が原因です。

2.80歳以上の2人に1人が年に少なくとも1回転倒している現状

ノルウェーでは、65歳以上の3人に1人、80歳以上の2人に1人が年に少なくとも1回は転倒することがわかっているため、転倒予防への地方自治体を挙げての対策をこの数年ずっと続けてきました。

3.転倒予防は公衆衛生の重要課題

保健局と地方自治体は、数年間にわたり転倒予防に体系的に取り組んできました。股関節骨折の件数は減少しているものの、オスロ市は依然として股関節骨折の発生率でトップを維持しています。今後20年間で80歳以上の高齢者が倍増すると予測されており、転倒は依然として重要な公衆衛生問題であり、サービス提供者は引き続き注力する必要があります。

4.ノルウェー保健局が具体的に行っている対策とは?

保健局は、戦略の開発と実施、eラーニングコース、ワークショップ、セミナーを通じた教育の推進、システムツールの開発等を通じて、転倒リスク管理と予防に包括的に取り組む上で中心的な役割を果たしています。

5.回復期で働く中で色々思うことがある

私の職場にくる患者さんはまさに、この股関節骨折の方は非常に多いです。ノルウェーでは特に冬になり寒くなった時期に屋内にずっといるからバランス機能が落ちて、、、だとか、地面が凍っているのに気づかず滑って骨折、、、だとか、地理的な理由も重なり股関節骨折が多いのだろうとは思います。屋外での股関節も多いので、それだけアクティブな高齢者が多いのはいいことなのですが、、、。何が言いたいかというと、もちろん転倒予防を推進していくことは重要課題のひとつなのですが、転倒した後の質の高いフォローアップも同じくらい大事だと思うのです。もちろん転倒しないことが一番ですが、人間は2本脚で歩き続ける限り、転倒予防を100%できることは、今のところ無理なのです。

次回の記事へ続く・・・


参考資料
オスロ市のLinkedInからの投稿記事


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