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【日記】禁欲/2023年2月6日(月)

※写真=古書店で本を購入したら、ひと言メッセージが書き添えられていた。これだけのことだけど、これがなかなかできないもんなのだ

 明け方夢を見た。春原俊樹さんの夢だ。いや、実際は「春原さんを語るオレ」の夢だった。Kという人物に、「春原さんを悪く言うことだけはオレが許さねーぞ!」って詰め寄るもの。何でそんな夢を見たのか定かじゃないが、『ボクシング・ビート』の原稿を抱えているから、というのは遠からずだろう。

 にもかかわらず、寝坊した。油断した。昨日までの数日、アラームをかけた時間より1時間早く起きてしまったから、昨夜は解除して寝てみたのが、このザマだ。しかも、我慢しきれず夜中に『ブラッシュアップライフ』第5話を観て夜更かししたというおまけつき。
 情けない。普段、偉そうにいろいろ書いてるくせに、結局こんなもんである。自分のことは棚どころか天袋に仕舞い込んでしまうのだ。
「もうそのままそこにおれ!」って声があちこちから飛んできそうだが、「呼んだ~?」ってのこのこ出てきてしまうのですが。罵声も声援に聞こえてしまうタイプ(になった気がします)。

 原稿は2本。とはいえ、ひとつは2本分だから実質3本という認識。しかし、1本目が遅々として進まない。例によって、「どう書き出すか」に悩む。頬杖をついたり、あごひげをわしゃわしゃやってみたり、手を開いたり閉じたり、タバコを吸ったりタバコを消したり、部屋をうろうろしたり、シャドーボクシングをしたり。「文才よ、オレにも宿れ!」なんて願いながら松尾スズキの本を読んだり、バカリズムの本を読んでゲラゲラ笑ったり。最後ふたつは単なる現実逃避ってやつだけど。
 そんなこんなで時間は刻々と無情にも進んでいったのだった。

プチプチでの包み方といい、本と同じ大きさで綺麗に切り取ったダンボール敷といい、
完璧な包装だった。

 結局夕方まで、また1文字も書けなかった。が、「いやホント、マジでアカン」って、顔面がしゃわーって冷めた感触(本当に蒼白だったと思う)に襲われた瞬間、一気に書き出した。たぶん、2時間くらいで書けた。それまでの8時間、いったいオレは何をしてたんだろうって、自分で自分の顔面をぶん殴ってやりたくなった。いや、実際にぶん殴った。目が覚めるどころか、効いてしまった。さすが少林寺拳法出!

 晩飯はかき玉うどん。久々に作って、食べながら何か観ようと思ってテレビをつけたら、NHKの『映像の世紀 バタフライエフェクト』でブルース・リーをやっていた。彼の死から50年。いまだ世界中で愛される武道術と哲学。「Be Water」は生涯抱えていかなければいけないテーマだな。って、これを観ながら「阿久井くん、観てるかなぁ」なんて思ったりした。

 キツイなぁ。キツイ。でも、オレなんて身から出たサビ、自業自得なのだ毎回。で、毎度、とんでもない仕事量を抱え、でもその度に見事に切り抜けてきている男を知っているから、泣き言なんて絶対に許されないのだ。

 ドラゴンズのキャンプ中継も今日で3日間、観るのを我慢した。いろいろと読みたい本も読まず(ちょっと読んじゃったけど)、観たい映画も観ず、食いたい物も食わず(これは別の理由もあるか)の禁欲生活。でも、録画してあった『娼年』はちょっと観てしまった。竜欲、読書欲、映画鑑賞欲、食欲にも勝る性欲。最低な大人!とか言う以前に、人としてダメなやつ。

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