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3150FIGHT

 ここのところ、現地取材といえば有明アリーナのみ。「有明の番人」なんて勝手に命名していたが、もちろんこれは不本意なこと。後楽園ホールには、いったいいつ以来行ってないだろう……なんて思い出せないほどの有様だ。

 しかし、ありがたいことに専門誌から依頼していただき、ようやく「脱・有明」を迎えることができた。というわけで、7日は大田区総合体育館へ。

 精力的に興行を開催する『3150FIGHT』に初めて足を運んだ。会場の一面を潰し、選手入場口を豪華に作って……というのは海外の、特にMatchroom Boxingでよくお目にかかる光景で、亀田プロモーションなのかABEMAチームなのかわからないが、「良いものは取り入れよう」という姿勢はとても良いと思う。

 が、配信でも感じていたことだが、とにかく「長い」。試合数が多いというのももちろんあるが、興行全体、トータルが。
 14時スタートで、メインの試合自体が終わったのが21時過ぎ。通常の18時開始だったら午前1時終了ということになる、なんて考えたらゾッとする。しかも、その後にメインの両選手、プロモーターの会見があり、これらすべてが終わったのは22時前。自分は幸い、そこまで締め切りに追われる仕事じゃないからまだいい(電車の時間は気にしないといけない)が、新聞各紙の記者はたまったもんじゃない。

 これまでのように「ハーフタイムショー」で昔懐かしの歌い手さんが登場するということはなかったが、それにしても「試合と試合のつなぎ」が長すぎる。きっとそれが「サービス」だと思っているのだろうが、会場内や通路ですれ違うファンの声に聞き耳を立てていたら、やっぱり「ぼやき」ばかりが聞こえてきた。残念ながら、「サービス」が「サービス」になってない。

 それに、「ファンサービス」や「休憩」という考え方を抜きにしても、中だるみ感が半端なく、試合でせっかく出来上がっていた緊迫感が解けてしまっていた。これは本当にもったいないことである。

「試合自体は好カードばかりなんだけど、興行が長いから行くのは遠慮して配信にしとくわ。無料だし」なんて事態を招いているのは想像に難くない。「会場はガラガラでいい。とにかく視聴数命」という考え方ならそれでよいのかもしれないが、やっぱり「現地観戦第一」にしないと。あくまでも「興行」なんだから。

 配信観戦では気づかなかったこと。試合のインターバル中に、スクリーンでスローVTRが再生されるが、そこにクラブDJみたいな人が妙な解説(つか、一方をかなり無理して褒めたたえる)をつけるのは毎回やってるのでしょうか。会場を盛り上げようとしているのは痛いくらい伝わってきたが、申し訳ないが別の意味で痛かった。どうせやるなら、せっかくABEMA解説で内山高志、谷口将隆が来ているのだから、そこだけでも実況席の声を届ければいいのに。

 この会場は、喫煙室があったがコロナ禍にかこつけて閉鎖されてしまい、会場外に設けられていた喫煙スペースもこの日は設置されていなかった。けれど、なんと「喫煙バス」が置かれており、1度に13人使用できるようになっていた。
 酒も女もたしまない(笑)自分の唯一の楽しみである「喫煙」が、こうして守られたのはありがたかった。願わくば、バスがもう1台あると助かるが、そこまで並ぶということもなかったから、ま、いっか。

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