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レビーラよ、オレの足を攣らせてくれ!

※写真は中日スポーツ(7月31日付)より。レビーラはマツダスタジアムのレフト場外へ弾丸ライナーを運んだ

 5回表、先頭打者の神里和毅がレフトに打ち上げたフライを、ペドロ・レビーラが迷走しながらバックして捕球することができず、スリーベースヒットとしてしまった。これがベイスターズの2点目につながりドラゴンズの0-2。続く6回、大野雄大が3連打を浴びて0-4。その裏、ドラゴンズは2点を返したが、その後はベイスターズの投手リレーにチャンスは作るものの、反撃はそこまで。いつもどおりの、追いつかない程度の反撃に終わった。

 今季途中に来日し、先日、支配下登録リミットぎりぎりで正式契約。即1軍に昇格したレビーラは、元々1塁手。だが、“不動”のダヤン・ビシエドがいるために、“急造”レフト・フィルダーとなった。

 だから、「いつかはやる」、そう思って観ていた。それほどの驚きはなかった。

 試合中、直後、そして一夜明けた今日と、評論家やファンはものすごい勢いでレビーラを攻撃している。私も、くるりと半回転してボールを取れなかった姿を見た瞬間、「(試合)決まったな」と悟ったが、妙な心構えがあったから、怒りは微塵も感じなかった。
「あんな素人を使いやがって!」と、立浪和義監督を責める声ももちろん聞こえるが、そうも思わない。レビーラに大きな魅力を感じているからだ。

 タイロン・ウッズ、トニ・ブランコ。打った瞬間、同時にこっちも跳び上がってしまうような打球を放った“真のホームランバッター”。近年、ドラゴンズに不在の大砲。
 初出場、初スタメンとなった7月30日の広島カープ戦(マツダスタジアム)、その第2打席にレビーラが放った初ホームランは、彼らの系譜に連なるインパクトを与えてくれた。

 2012年10月15日。クライマックスシリーズ第3戦(vs.東京ヤクルトスワローズ)は忘れられない。それまで8打数ノーヒットと大不振だったブランコが放った逆転満塁ホームラン。打ったと同時に跳び上がった際、私は足を攣って自宅ソファーに倒れ込んでしまった。一緒に観ていた母は、ホームランに喜び、そこに寝そべってもがく息子を見て大笑いしていた。レビーラにはそういう歓びを与えてくれる予感がある。もちろん、ケガで抹消されている石川昂弥、鵜飼航丞にも“大いなる夢”を描いているが、異国の地に来て奮闘する選手への想い入れが、昔から少なからずある。

 そういうウェットな感情を抜きにして。勝負のポイントは別にあったと見る。それはまた後程。ボクシングにも大いに共通して言える“アヤ”だ。

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