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Day95→よそはよそ、ウチはウチ。

読書感想文的な。

もう6月。いかがお過ごしだろうか。当地では、まるで夏になったかのように暑い日々だが、梅雨になるに従い、また寒くなったりするのかもしれない。安定して欲しいものではあるが。

さて先日、医師でタレントとしても活躍しているおおたわ史絵さんの著書「母を捨てるということ」(2020年9月)を読んでみた。タイトルがセンセーショナルだが、お母様がなかなか厄介な方だったそうで。

詳しくは読んで頂きたいのだが、かなり要約すると、娘であるおおたわさんに異常なほど執着し、お父様であるドクターが、古傷の痛みを訴えるお母様に投与する鎮痛薬が元で、次第に薬物依存症になっていったのだとか。

念のため断っておくが、私はもちろんのこと、身近に薬物依存者がいるワケではない。私もよく拝見している、おおたわさんご本人のブログで紹介されているので、何となく気になって読んでしまった。

壮絶すぎるというか、どうかしているというか。今だったら問題になるのだろうが、一昔前までは子どもは親の所有物だと思われていたフシがあるから、「厳しい親」ということで片付けられたのだろう。

もちろん私は医療従事者では無いし、精神分野について知見を持ち合わせていないのだが、手軽にオピオイド(鎮痛薬)が入手出来た環境が事態を悪化させてしまった、ということは容易に想像が付く。

それにしても、この本でも触れられているとおり、いわゆるテレビショッピングは毒だよな、とつくづく思う。買い物依存症の人たちにつけ込んで、様々なモノを売るのだから。

衛星放送では専門チャンネルもあるし、地上波テレビでは妙な時間帯にずっと放送していることも多い。いわゆる地方局なんか、朝から晩までやってるところもある。もちろん、売る側は買う側の事情など知らないだろうけど。

法に触れているわけではないし、濫用するほうが良くないとはいえ、トランス状態にさせてモノを売るような手法はいかがなものかと思ってしまう。私は利用したくない

いわゆる「毒親」。

話を元に戻す。

この本に出てくる、埼玉県立精神医療センター副病院長の成瀬暢也ドクターによると、依存症患者に見られる6つの特徴として、

1. 自己評価が低く自分に自信が持てない
2. 人を信じられない
3. 本音を言えない
4. 見捨てられる不安が強い
5. 孤独でさみしい
6. 自分を大切にできない

おおたわ史絵「母を捨てるということ」pp.93-94

とのこと。何だかんだ、私もそういうフシがあるが、今のところ依存症では無いと思う。人見知りで猜疑心が強く、見た目も自信無いから自己評価が低い。反面、寂しがりだし、多分にメンドクサイ。

ここまで来てしまったので、大幅な修正は効かないにしても、僅かばかりの他人様並みの幸せを望むのは贅沢な話なのだろうか。無理な気もするが、諦めたくないという意地もある。

あまり家の事は触れたくないが、触れないわけにもいかないので、お恥ずかしながらザックリと書いておく。程度の差こそあれ、親がどうかしているという点で共感できる。

イナカ育ちの私の父も、若い頃は景気が良かったのでだいぶ遊んでいたらしく、毎晩のように繁華街で呑み歩き、休日はパチンコ屋通い。暴力はそれほど無かったとはいえ、生活面や金銭面を含めて母を困らせていたようだ。

その反面、矢鱈と世間体を気にするのでそれなりに愛想は良い。他人に頼るのを良しとしない家なので、困ったときにも困ったと言えないし、私もいろいろ困ったことがあったが、誰にも相談できなかった。

今思えば、誰かに頼りたかったし頼られたかった。モノの見方を変えることで、だいぶ違っただろうなとは思う。しかし、上に掲げた特徴に当てはまるとおり、共依存のリスクを孕んでいたことは否定できない。

タイトルの通り、私は親からどれだけ「よそはよそ、ウチはウチ」と言われたことか。その反動から、それは妥当なのだろうかと物事を深く考えるようになったのかもしれない。

母を捨てるということ」は、いわゆる薬物依存についての本なのだが、まさかこのような収穫があるとは思わなかった。辛い話なので読後感が良いとは言えないが、感じる何かがあったなら大きな収穫だと思う。以上。

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