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ふじこ
2023年8月26日 19:10
その日の夜の歩道橋は、夏の雨に濡れてちらちらと光っていて、手をかけた手すりは生温かく湿って嫌な感じがした。下に流れる車を見るのも臆病風に吹かれそうで、僕は代わりに空を見上げた。しろっぽい夜のなかから、流星のような雨が僕の顔を打った。息苦しさで、僕は喉が渇いたような痛みを感じ、雨を呑み込むように口をあーっと大きく開けた。 夜なんか越えられねぇよ。 ひとり呟く僕の傍を、誰も通る人はいない。途中ま