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拙い詩の数々
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2016年5月の記事一覧

雨空に

雨空に

雨が好きだと君は言った
湿った地面から立ち昇る匂いが好きだと
真夏の太陽みたいに乱暴じゃないから、と
君が泣く時はいつも雨だった
冷たく肌に張り付くような、雨
僕は君に青い傘をあげた
すると君は泣くのをやめ
少し笑ったのだった
雨はいつも君の味方だった
悲しい時も、嬉しい時も
寄り添うように、降ってくるのだ
だから僕は空になりたかった
そしたら君のために何でも
できる気がするのだ
渡した青い傘を回

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手紙

幾つかの手紙 返事さえ書かずに
引き出しの中 時間だけが過ぎて
あなたとの思い出なぞるだけで
悲しむ事わかっているのに
傷つけたのはあなただった?
いいえ、私の方から
理解してなかったのはあなただった?
いいえ、私もだった
謝る事は何度も でも寄り添うことは出来ずに
すれ違い 気付いたら生まれた空白

時が経てばあなたのこと
愛せると信じていた
私はもっと賢くなって
思いやる事もできるのだと

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