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ビジネスモデルのデータベース Bizgram を公開しました

このたび、ビジネスモデルのデータベースサービス「Bizgram」(ビズグラムと読みます)を公開しました!

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Bizgramは、ビジネスモデルを紹介するデータベースです。ビジネスモデル2.0図鑑に掲載されたものを中心に紹介していますが、今後はほかの様々なビジネスモデルを載せていけたらと思っています。

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こんな感じで一覧でビジネスモデルのデータが表示されて、

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タップすると、図解と文章で説明がある、というシンプルな構造です。スマホでも見れるように最適化してます。

この記事では、なぜこのサービスをつくったのか、これからどうしていきたいのかについてお話したいと思います。

さまざまなビジネスモデルを図解で可視化した「ビジネスモデル2.0図鑑」が2018年9月29日に出版されてから、3年が経とうとしています。

その間、新型コロナウイルスを中心とした劇的な変化が起き、人が集まれないことを前提に、ますますビジネスモデルの転換を余儀無くされた事業者も多かったと思います。そしてWithコロナと言われるように、脅威はゼロにならずにこれからもその状態がしばらく続く可能性も否定できません。

ビジネスモデル図解は、3×3で9マスの中に重要な経営資源やステークホルダーを配置しながら、誰がどのように関係していて、仕組みが回っているかを見るためのフレームワークです。共通の型に沿って可視化することで、比較がしやすくなったり、対話しやすくなったりします。

中でも重要なポイントをビジネスモデル2.0図鑑からいくつか引用してみますと、

今の時代、「ずっと続くビジネスを0からつくれる」という考えは幻想だ。僕だって、ある日、天才的なひらめきによってメルカリを生み出せるならば苦労しない。それよりも、ビジネスを「とりあえず」でもいいからつくって実践してみる。もしそのビジネスが時代の流れによって「定説」になってしまったら、また次の「逆説」をつくる。そうしたアジャイル的な価値観が重要だと思う(アジャイルとは、もともとはシステム開発の用語で、「俊敏な」「素早い」という意味。最初から時間をかけて完璧なものをつくろうとせず、とりあえずテストを繰り返して完成に近づいていく手法)。
 本書に掲載されている100個の事例も、永遠に「すごいビジネスモデル」であり続けるわけではない。ある時期には「今の業界の定説を覆す」ものだったとしても、時の流れとともに定説になってしまうこともある。それにいつまでもしがみついていたら、船は沈んでしまう。重要なのは、変化のなかで「定説」と「逆説」を見極める目なのだ。本書をその「目」を磨くための教科書として使ってほしい。

こんなことを書いていました。ビジネスモデルは常に新しくアジャイルにアップデートされていくもの。この激動の時代の中、その傾向が、ますます強くなってきていると思います。

しかし一方で、ビジネスモデルはなかなかオープンにならない情報も多く、一同に集まることもなく、透明性が高いとは言いにくい状況です。これだけビジネスモデルの変革や転換が求められている中、ビジネスモデルの情報には辿り着きにくい、情報の非対称性があると思います。

もちろん、秘匿性の高い技術的な情報や、コアな経営資源もあると思いますが、どんな儲け方をしていて、それはステークホルダーを犠牲にしたものではないか、など、ビジネスモデルを表に明示していくことで社会に対して説明責任を果たしていく方法もあるかと思います。

近年、統合報告書を発行する企業の数が増えてきています。そこではビジネスモデルを各社図的に表現している様子も見られます。つまりビジネスモデルも無形の価値であり、時価総額につながるものであり、コアな価値が何なのかをオープンにしても尚、簡単には真似できない優位性のあるものが、ますます重要になってくると思います。

そんな中、最初に考えていたのは、エンジニアが使うGithubのビジネスモデル版です。Githubは、ざっくり言えばソフトウェア開発のためのソースコードを管理、編集するサービスですが、つくったコードをレビューしあったり、公開したり、ほかのコードをフォーク(その時点のコードを分岐させて違うコードをつくること)ができたり、ソースコードのデータを中心として、データをつくっていくプロセスがとても優れています。

たとえば新規事業企画担当者や経営企画の方がサービス上にビジネスモデルのデータをアップロードして、そこでビジネスモデルを編集しながら、他のビジネスモデルを参照したりして、お互いのビジネスモデルをレビューしながら新たなビジネスモデルを構想していき、その過程はすべてオープンになっていて、時系列であとからバージョンを振り返ることもできる、そんなサービスを妄想していました。

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↑初期段階のユーザーストーリーの設計。ビジネスモデル図解の型にそって誰でも編集できるツールを最初は考えていたのでした。

しかし、サービス上でビジネスモデルを考案することのハードルの高さ、ユーザーがそこまでブラウザ上で操作がうまくできるか、そのためのチュートリアルがつくりこめるか、また、実装面での難しさなどから、いきなりビジネスモデルを考案するニーズに特化したものをつくることは、段階を飛ばしすぎていると思うようにもなり、途中でアイデアの方向性を切り替えることにしました。

ステップとして、まずはビジネスモデルのデータが一覧化されて、それを見てビジネスモデルを学び、そのあとにビジネスモデルをつくる、そしてつくったあとにそれがどうだったかを検証する、そんな行程があるように思います。

1. 学ぶ
2. つくる
3. 検証する

最初はこの2の「つくる」の行程からサービス化しようとしていましたが、まずは1の「学ぶ」の行程を形にして、そのあとにつくるの行程にいく方が、サービスの拡張の段階としては適切だと思うようになりました。

そのため、結果的にはビジネスモデルのデータが一覧化され、この世の中にどんなビジネスモデルがあるか、といった情報にアクセスしやすくなるようにし、そこから徐々に「つくる」や「検証する」の方向にも拡張していけたらと思っています(利用シーンによってはもはや別サービスになる可能性もありますが)。

ということで、サービスとしてはまだプロトタイプ段階ですが、ゆくゆくは、世界中のビジネスモデルのデータが一同に集まり、タグで検索できたり、レコメンドされたり、自分でもビジネスモデルが考えられるようなチュートリアルがあったり、時系列での変遷が見られたり、そんなこともできたらいいなと妄想中です。

ビジネスモデルのデータベースとか言いつつ、Bizgramのマネタイズの手段は特段決めておらず、開発すればするほど赤字な状況ではあるのですが、今後のニーズ次第でどう展開していくか、考えたいと思っています。

目指している世界はありつつも、できるだけ利用いただく方のニーズを汲みたいと思うので、この記事を読んでくれた方、ぜひ、以下のアンケートにおこたえいただけませんか!どんな使い方がしたいか、どんな情報が掲載されているといいか、など忌憚なき意見をお寄せいただけると大変助かります!!!!!

フォームが埋め込みになってますが、ページ遷移して回答したい場合は以下よりお願いします。

https://forms.gle/fM5e1iFX2Woag58g7

最後にもう一度 Bizgram のリンクを貼っておきます。

もし何かコラボレーションしたい企業の方がいましたら、サービス上からお問い合わせください!

追記)この記事でもしビジネスモデル図解を知り、自分でもかいてみたいという方がいたら、「ビジネスモデル図解シート」というビジネスモデルの図解がA3用紙でしやすいワークシートがおすすめです。もし使ってみたい方がいたら、以下の記事からどうぞ。

以上です。

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