見出し画像

【ものづくり】半導体製造で活躍する日本企業 Part 1

はじめに

スマホ、家電製品、自動車、鉄道、ロボット、航空機など、半導体が使われていないものを探すのが難しくなってきています。半導体とは言葉の通り、電気をよく通す「導体」と電気をほとんど通さない「絶縁体」の間にある物質です。

半導体はナノメートルオーダー、つまり10億分の1メートルという、髪の毛の太さの約10万分の1という非常に細いサイズで回路の線が引かれています。この半導体を作るためには日本の企業の装置が活躍しています。

でもこの半導体ってよくわからないという人が多いかと思います。そこでこのPart 1では半導体ってどんなものなのか、などを紹介していきます。

ところで半導体ってどんなもの?

「導体」の代表的な物質は金属です。「絶縁体」の代表的な物質はゴムでしょう。では「半導体」の代表的な物質はなんでしょうか。一般に半導体の材料になっているのは「シリコン(Si)」です。日本語では「ケイ素」とも呼ばれています。

「シリコン」以外に「ゲルマニウム(Ge)」や「窒化ガリウム(GaN)」「炭化ケイ素(SiC)」といった材料も使われています。

シリコンは演算装置やメモリーといわれる半導体の材料として利用されています。窒化ガリウムや炭化ケイ素はスマートフォンなどの電源装置に利用されるパワー半導体の材料となっています。

シリコン?シリコーン?シャンプーと同じ素材?

半導体の材料となっている「シリコン」ってシャンプーで使われている「シリコン」あるいは「シリコーン」は違うものなのでしょうか。それとも同じものなのでしょうか。半導体の材料となっている「シリコン」と、シャンプーの「シリコン」、どちらも同じシリコンです。

しかし、半導体の材料となるシリコンは99.999999999%、通称ナインイレブンという純度が極めて高いものです。一方のシャンプーに配合されているのは半導体の素材と同じシリコンを素材にはしていますが、「シリコーン」で別物の合成樹脂です。

太陽光発電パネルも半導体!?

太陽光発電でも半導体が利用されています

半導体といってイメージされるのはパソコンや携帯電話に搭載されている頭脳の部分、つまりデータ処理用のICチップだったり、メモリー用のチップだったりでしょう。

「これも半導体?」と言われるのが太陽光発電に用いられる太陽電池です。太陽光発電はパネルの電子に光エネルギーを吸収させて、エネルギーを持った電子を外部に取り出します。エネルギーを持った電子を取り出すのにシリコン半導体が使われているのです。

半導体の生産でトップを走っているのは?

台湾・新竹市にサイエンスパークにあるTSMCのギガファブ

半導体生産で世界のトップを走っているのは台湾です。IC Insightsという市場調査会社のデータによると台湾の半導体能力は全世界の22%となっています。台湾企業の中では2021年、日本の熊本に巨大な生産工場を建設するということで話題になったTSMC(台湾セミコンダクター=台湾積体電路製造)という会社が世界的にも有名でしょう。

理化学研究所と富士通が共同開発した、世界一を争うスーパーコンピューター「富岳」の頭脳部分であるCPU「A64FX」も台湾のTSMCが生産しています。また、アップルコンピュータのスマホ、iPhoneの頭脳部分の半導体デバイスはTSMCが生産していると言われています。

第2位がサムスンを擁する韓国です。サムスンといえばスマホのギャラクシーシリーズが有名ですが、半導体生産においても有名です。

そして、第3位が日本です。かつては日本も半導体生産で世界のトップを争っていましたが、日米半導体摩擦などがあって、現在は残念ながら3位となっています。

TSMC(台湾セミコンダクター=台湾積体電路製造)

サムスン

まとめ

半導体生産では残念ながら3位ですが、半導体製造装置、つまり半導体を製造するための機械や半導体を製造するための材料といった分野で日本はトップを走っているところがあります。つまり日本の技術・装置なしで現在の最先端半導体を生産することはできないといえます。

Part2以降でこの半導体製造装置や半導体製造に使われる材料で活躍する日本企業を紹介していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?