ときどき日刊商工通信社

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国内外経済・産業から文化、生活まで。ビジネスだけでなく、日常生活でも使えそうな情報や小ネタを元新聞記者や元雑誌編集者、フリーライターが「ときどき日刊」でお届けいたします。

最近の記事

【ものづくり】半導体製造で活躍する日本企業Part 2

半導体製造装置や材料で強いのは日本企業(前工程)では半導体材料や製造装置、部材メーカーを分野やプロセスごとに紹介していきましょう。半導体製造には前工程と後工程があります。 シリコンウエハー 半導体生産力地域別では世界第3位ですが、製造装置や材料分野では日本企業が高いシェアを持っています。日本企業の装置、材料、そして技術が最先端の半導体生産を支えています。 まずは半導体材料のシリコンを薄く円盤状に加工したウェハーと呼ばれる板を生産しているのが、信越化学工業とSUMCO。こ

    • 【ものづくり】半導体製造で活躍する日本企業 Part 1

      はじめにスマホ、家電製品、自動車、鉄道、ロボット、航空機など、半導体が使われていないものを探すのが難しくなってきています。半導体とは言葉の通り、電気をよく通す「導体」と電気をほとんど通さない「絶縁体」の間にある物質です。 半導体はナノメートルオーダー、つまり10億分の1メートルという、髪の毛の太さの約10万分の1という非常に細いサイズで回路の線が引かれています。この半導体を作るためには日本の企業の装置が活躍しています。 でもこの半導体ってよくわからないという人が多いかと思

      • 【経済】2022年2月の機械受注額は前月比8.9%減

        はじめに政府の内閣府経済社会総合研究所景気統計部というところは毎月、「機械受注統計調査報告」という数値を発表しています。この調査は機械などの製造業者が受注した設備用の機械について毎月の実績、さらには四半期ごとの見通しを調査するものです。昨日、2022年2月の機械受注調査結果が発表されました。調査結果によると「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」というもので、今後の景気の先行きを下方修正しています。一方、工作機械だけにスポットを当てて、動向をみると工作機械メーカーの業

        • 【医療】不妊治療の保険適用と先進医療

          はじめに今年2022年4月から不妊治療の一部に保険が適用となります。しかし、この保険適用にはとても難しい問題があります。それは保険適用となる不妊治療と保険適用とならない自己負担による治療を組み合わせた場合、混合医療となって、本来、保険適用となるはずの不妊治療も保険適用とならなくなってしまうということです。 そうした中、厚生労働省は3月4日、保険対象となる不妊治療とセットにしても治療費の一部に保険が適用される6つの自己負担による治療となる「先進医療」技術を公表しました。 そ

        【ものづくり】半導体製造で活躍する日本企業Part 2

          【環境】水素社会って本当にやってくるの?

          はじめに この数年、青と黒の2色のカラーに塗られたバスが走っているのを見かけるようになりました。ボディには大きく、「FUEL CELL BUS」と書かれています。このバス、量産型燃料電池バスと呼ばれるもので、ガソリンで走っているのではなく、水素をエネルギーにして走っています。タンクに充填した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を発生させ、その電力でモーターを回して走るバスです。走行時に地球温暖化ガスの二酸化炭素、さらには有害な排気ガスを排出しませんし、走行音も静かなので都

          【環境】水素社会って本当にやってくるの?

          【生活情報】防災について、ちょっと役立つ知識

          はじめに2011年3月11日に発生した最大震度7の巨大地震による東日本大震災は大規模な津波などを引き起こした複合災害になってしまいました。その被害は生活基盤を喪失させ、産業・経済にも大きなダメージを与えました。あの震災発生から11年が経過します。 自然災害は予測できません。そのため、自分の命、そして生活を守るため、備えが必要です。そこでちょっと役に立ちそうな電気に関する知識を紹介します。 太陽光発電システムの自立運転機能を知っておく 地震の発生で送電線や発電所に被害が起

          【生活情報】防災について、ちょっと役立つ知識

          【ものづくり】エンジニアリングプラスチック

          はじめに生活の身近なところで利用されている素材が「プラスチック」です。「プラスチック」といっても色々な種類があります。中でも「エンジニアリングプラスチック」あるいは「エンプラ」と呼ばれる素材は汎用の、よく使われているプラスチック素材を上回る耐久性や、高い温度でも強度があるといった特性を持っています。 そもそも普通の、汎用プラスチックって? 「エンジニアリングプラスチック(エンプラ)」は「汎用の、よく使われているプラスチック素材を上回る素材」というのあれば、汎用のものやよく

          【ものづくり】エンジニアリングプラスチック

          【ものづくり】ダイカスト?ダイキャスト?

          はじめに金属の材料を溶かして、それを型といわれるものに流し込んで、冷やして、目的の形状に固めるのが鋳造という技術です。目的の形状にするための型にはさまざまな素材があります。砂でできた型を使うのは「砂型鋳造」、熱に強い耐熱鋼を使う「金型鋳造」、ロウを使う「ロストワックス鋳造」があります。「ダイカスト」あるいは「ダイキャスト」も鋳造方法の一つ。ローマ字で書くと「Die Casting」なので、「ダイカスト」「ダイキャスト」と表示されています。どちらも間違いではありません。 産業

          【ものづくり】ダイカスト?ダイキャスト?

          【ものづくり】セルロースナノファイバー(CNF)は植物由来の素材

          はじめにセルロースナノファイバー(CNF)は植物由来の素材です。鋼鉄の5分の1程度の軽さでありながら、鋼鉄と同等の曲げ強度、5倍以上の引っ張り強度を持っています。セルロースナノファイバーは自動車部品や部材、電子デバイス、医療などのさまざまな分野で、普及拡大が期待されている次世代高機能繊維材料です。 環境省でも、このセルロースナノファイバーに注目しており、2021年4月には「脱炭素・循環経済の実現に向けたセルロースナノファイバー利活用ガイドライン」を公表しました。 このセル

          【ものづくり】セルロースナノファイバー(CNF)は植物由来の素材

          【ものづくり】過熱蒸気ってなに?どんな時に使われる?

          はじめに「焼く」っていうのに火を使わない、水を使って「焼く」っていうオーブンレンジ、聞いたことがありますよね。「水で焼く」技術が「過熱蒸気」です。 ヘルシオだけの「水で焼く」とは・・・(シャープ) 過熱蒸気は100度Cで水が気化し、蒸気になったものをさらに加熱した蒸気のことです。これを使って加熱したり、焼いたり、焙煎したりすることができます。この技術、水で焼くオーブンレンジだけでなく、滅菌、金属の表面改質、さらには廃棄物処理などでも利用されているんです。 過熱蒸気はどう

          【ものづくり】過熱蒸気ってなに?どんな時に使われる?

          【ものづくり】3Dプリンターってどんなもの?3Dプリンティングってどんな技術?

          はじめに3Dプリンターという言葉、聞いたことありますか?プリンターといっても印刷をするのではありません。立体を造形するものづくりを行う機械です。3Dプリンターを使ったモノづくりは「付加製造技術」あるいは「アディティブ・マニュファクチュアリング(Additive Manufacturing = AM)とも呼ばれています。プラスチックやABS樹脂、金属粉末などの材料を積層させて立体を造形していきます。 これまでは設計者やデザイナーがイメージしたアイデアを2D、つまり平面で見るこ

          【ものづくり】3Dプリンターってどんなもの?3Dプリンティングってどんな技術?

          【環境】減容・減量・再資源化ー廃棄物を処理する技術

          はじめに地球温暖化が進み、全世界で環境負荷低減に対する取り組みが急務となっています。政府は2021年10月22日、地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画「地球温暖化対策計画」を閣議決定しました。2016年5月13日に閣議決定した前回の計画を5年ぶりに改訂したものです。これにより、日本は2030年度において、温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明しました。 この目標の達成、そして環境に配慮した社会づくりをして

          【環境】減容・減量・再資源化ー廃棄物を処理する技術