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人材紹介にまつわる数字から見えた驚きの事実

人材紹介業界について調べ物をしていた時、電卓を2回、3回叩いて計算ミスがないことを確認するくらいに驚いた数字がありました。

5~10%という数字の意味

この数字は、大手人材紹介会社が平成30年度に行った有料紹介の中で、無期雇用のうち、半年以内に退職した退職率の割合です。

紹介会社別

厚生労働省職業安定局 人材サービス総合サイトより抜粋
(無期就業数の数が分からない会社は除きました)
https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/GICB101010.do?screenId=GICB101010&action=initDisp

人材紹介のビジネスモデルは、

転職したい人のキャリアプランを聞いたエージェントが、その希望にあった会社を紹介し、無事に採用されたら紹介料を年収に応じて受け取る。

というのが一般的なモデルです。
つまり、「転職希望者の希望」をヒアリングし、紹介先の企業について熟知し、双方について熟知したエージェント(会社)が双方にとってベストな転職を提供しているのが人材紹介です。

その前提の上で、「5~10%」という退職率を考えてみた時、私は驚きました。

もちろん、転職時には想定していなかった事情が起こり、泣く泣く退職せざるを得ないという事もあるでしょうから、0%ということは無いと思っていましたが、5%はさすがに多すぎると思いました。
10%なんていうのは、大問題なのではないかとさえ思ってしまいます。


もしも、『早期退職した場合は返金規定で自社も傷を負っているんだから喧嘩両成敗だ。』などと思っている紹介会社がいるならば、「人の人生を何だと思っているんだ!」とキャリコンとしても、元採用担当としても怒鳴りたくなります。

人材紹介の質を担保した方が良い

GTOという漫画の中で、鬼塚先生が
「あんたにとっては、たかだか40人のうちの1人かもしれないが、生徒にとっては、先生はあんた1人しかいないんだ」
的な事を言っていましたが、まさに紹介会社からしたら何万人のうちの1人かもしれませんが、転職者からしたら、転職とは自分の大切な一生を真剣に迷い、悩み、エージェントを信じて人生を賭けて下した決断です。

キャリアコンサルタントなど資格を整備するのも良いですが、キャリアを扱う現場にいるエージェントは実質、無資格で会社の判断で人のキャリアに関わっているのが現状です。

キャリアという仕事は人生を左右する非常に責任が重い仕事です。
弁護士や医師などのように、客観的に認められた知識量やカウンセリングスキル、人格など様々な面から判断され問題ないと認められた人だけがエージェントになれるくらいの厳しさがあっても良いのではないかと、この数字を見て思いました。

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