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自分を高める、内省・振り返りに有効な6+1個のフレームワーク

「経験から学び、未来に活かす」、その積み重ねで人は進歩する。

自分自身も振り返りの習慣をつけてから多く成長できた。 今回は「振り返りの振り返り」も兼ねて、内省に有効なフレームワークを紹介していく。

紹介するのは全部で7つ。

どれも過去の結果・事実を振り返り、そこから学びを得て今後の行動につなげるものだ。 1週間コンパスだけは、振り返りというよりは、アクション策定寄りだが、他のフレームワークと組み合わせやすいので合わせて紹介する。

どれが優れているというよりは、その人の好みや相性、状況に寄って選ぶべきものだ。 試しながら、自分にあったものを使い、それを更に自分に合わせて昇華させていくのが良いだろう。

3つのグループに分けて順に紹介していく。

今回紹介する振り返り系フレームワーク6種類

※今回は個人での振り返り観点で紹介するが、チームやプロジェクトでの振り返りにも有効なので、ご活用頂きたい。

2つのシンプルな振り返りのフレームワーク

KPT(A)

KPT 振り返りのフレームワーク

読み方は「ケプト」、「ケーピーティー」とも言う。
実は日本生まれの方法論。

  • K:Keep  良かったこと、続けること

  • P:Problem 改善すること

  • T:Try 新しく挑戦すること

KとPで良い点と改善点の両面を出すことが特徴で、チームでの振り返りにも使われやすい。

良い点を認めながら、一歩ずつ改善して前に向かう効果の高いフレームワーク。

Tの抽象度を落として具体的な行動にするために、A:Action具体的な行動を入れることもある。

YWT

YWT 振り返りのフレームワーク

これも日本生まれの方法論で、それぞれの日本語の頭文字を取ったもの。

  • Y:やったこと

  • W:わかったこと

  • T:次にやること

KPTとは角度が異なり、「わかったこと」にフォーカスするのが特徴。
結果ではなく、何を学んだかを整理・蓄積しやすい。

一歩立ち止まって学習を蓄積しながら進んでいく際に役に立つ。
「わかったこと」を複数期間分まとめて振り返るのも有益だ。

振り返り起点が「計画」にあるPDCAのフレームワーク

PDCA

PDCA 振り返りのフレームワーク

言わずとしれた改善の有名フレームワーク。

  • P:計画

  • D:実行

  • C:確認

  • A:改善

振り返りの起点として、計画要素が入るのが特徴。

KPTやYWTは、やってみた結果を振り返るが、PDCAは計画との差分から学びを深めて次に活かしていく

たどり着きたい先が決まっている際に、良い計画策定ができていると効果が高い。

連続で回し続けるとPの精度が上がり、Dの精度が上がりと高まっていくので、定期的にサイクルを回すと良い。

抽象化して学習につなげる3つの振り返りフレームワーク

ここからは「学び」を一段昇華していくのが特徴。

4行日記

4行日記 振り返りのフレームワーク

自分に関する宣言を踏まえた、少し変わったスタイル。

  • 起きた事実

  • 気づき

  • 気付きから得た教訓

  • 自分に関する宣言

他と同様、事実から学ぶフレームワークだが、「気づき」という日記らしいとっつきやすさと、学びを「教訓」に昇華させる点が学習部分の特徴。
また、宣言という形で、未来の自分を固める所は独特だ。

宣言は「~する」というDo型ではなく「~な人間だ」とBeで宣言することもできる。

日記では有るが、必ずしも日毎に回さなくても良い。

経験学習モデル

経験学習モデル 振り返りのフレームワーク
  • 具体的経験

  • 内省

  • 抽象的概念化

  • 実践

4行日記と同様、「内省」→「抽象的概念化」と、振り返って得た内容を一段昇華させるステップを挟む。

概念化の後は、実践の「toDo」となっており、実行要素が強い点も特徴。

実際の具体的な経験を元に、内省によって振り返り、抽象概念化して次に活かすというサイクルなので、実践と振り返り、具体と抽象のバランスがよく学習のサイクルを回しやすい

ORID

ORID 振り返りのフレームワーク

ORIDは集団でのセミナーなどで、ファシリテーターが質問のために使うことが多いフレームワーク。
ステップを切り分けながら確認することで、振り返りを促しやすいので、ファシリテーションに留まらず、個人の内省にも活用可能。

  • Objective ( 事実 )起こった事実

  • Reflective ( 反応 ) ※結果起こった反応や思ったこと(感情や反応)

  • Interpretative (解釈 ) 反応の意味や解釈

  • Decision ( 決断 ) 次に何をするか

反応の意味を解釈する点でより内側の観点に目が向き深い内省を促しやすい

省察を促す質問項目も多く事例として紹介されているので、それを自分への問いかけに活用するのも有効だ。

+1 目標に向かうための1週間コンパス

1週間コンパス

純粋な振り返りとは異なるが、定期的に内省をする習慣をつける際に振り返りと合わせて使いたいのが1週間コンパスだ。

フランクリン・コヴィーの7つの習慣に基づく、1週間毎の目標設定に使えるフレームだ。

1週間コンパスの特長は

  • 自分の能力を伸ばすために「刃を研ぐ」目標設定をする

    • 「肉体」「社会・情緒」「知性」「精神」の4つの側面

  • 自分の役割を定義する(仕事面、家庭面など含め複数設定可能)

  • 役割毎の目標を定義する

といった点。

能力向上のための目標と、結果を出すための役割目標が両面セットされる点や、複数の役割の観点で1週間を充実させられる便利なツールだ。

上の6つのフレームワークは、実践を元に振り返るものだが、その振り返りの前段に1週間コンパス等で目標を立てていくことで、より学びを深め、成長角度を高めることができる

目標設定の大切さ

振り返り・改善を続ければ、着実に前に進むことができる。
ただし、大切なのはその結果どこに進むかだ。

自分の人生を意義あるものにするために、1週間コンパスなどのツールを活用して充実した目標設定ができると、振り返りの意味合いもさらに高まるだろう。

参考

基本的には自分でも理解していたつもりだが、漏れがないかや、一般論との認識齟齬がないかを確認するため、以下を参考にした。



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