バジャウ

セブ島で詐欺師から全財産盗られ、ホームレスになったら将来の不安がなくなった

ちょっと前にこんなツイートをしたら、2万人近くの人に見られて自分の醜態をさらしてしまった。笑

今回は僕がこのトランプ詐欺にあった経緯について詳しく書いていこう。

大学の春休みに世界一周する前の予行演習みたいな感じで、
フィリピン留学1ヶ月→東南アジア一周1ヶ月することを決めた。

そんな時にTwitterでたまたまタイムラインで見かけたのが松田大夢

当時、大夢のフォロワーは1000人前後だった気がするけど、旅にめちゃくちゃハマっていた僕はTwitterで『バンコク』『フィリピン』などとググって、海外で暮らしている人の生活をみることが好きだった。

そこで『セブ島』とググり出てきた大夢をみて衝撃をうけた。

同い年の日本人(当時20歳)が、セブ島でフィリピン人の家を転々としながら暮らしている!?

バジャウ族という人達とめっちゃ仲が良い!?どういうこと!?(3年半前は今の家がなく、セブ島でビサヤ人・バジャウ族の家を転々としてた)

このブログにバジャウ族の事やビサヤ人についても書かれてるよ。

フィリピンのどこに留学するかは決めていなかったが、このTwitterキッカケで『松田大夢に会うこと』『バジャウ族に会うこと』を目的にセブ留学を決意。

セブ留学1週目の週末

バッチメイトのケンタさんと一緒に大夢とバジャウ族に会いに行った。
今は大人気のバジャウ族ツアー。なんと僕たちが初の参加者だったらしい。笑

ちなみに実は大夢とは初対面ではなく、セブに行く1ヶ月くらい前に大夢が一時帰国してた時、渋谷のクラブで偶然遭遇した。笑
確か、国際ボランティア団体のイベントにお互い誘われていて、バッタリ会ったんだと思う。

セブ留学2週目の週末 僕は全財産を失った

あれは、3年半前に巨大ショッピングモールのSMモールで1人に行った時のことだ。
SMモールに入った瞬間にフィリピン人のおっちゃんに話かけられた。

おっちゃん :「すいません。いま何時?」
僕:「えーと、12時です」
おっちゃん:「ありがとう! てかあなた日本人?」
僕:「そうです」
おっちゃん「まじで! 娘が早稲田大学に通ってるよ! ほら、みてこの写真」
僕:「まじか! すげー!」
おっちゃん:「てか、昼ご飯食べた?家でご飯ご馳走するよ」

と、誘われて知らない人の家について行くのは危険っていうしなー。と思いながらも
『これが海外1人旅の出会いってヤツか!』
と思った、1人旅初心者の僕は誘われるがまま、ついていくことにした。

すると、SMモールでおっちゃんが電話し、おっちゃんの妻らしき人(以下、おばちゃん)と日本語が話せる女性(以下、通訳者)が合流。

タクシーに4人で乗り込み、車内ではひっきりなしに会話をしてきた。
「なんでセブに来たの?」
「これからクアラルンプール行くならここに行きなさい」
とか紙にメモされたり。

家(アジト)に到着

アジトの拠点がバレないように、ずーっと話かけらて景色をみる暇がなかったので、詳しく場所はわからないけど、山の方だった気がする。

家に到着して普通にみんなでお昼ご飯を食べた。
昼食後、リビングでテレビを見ていると、おっちゃんが話かけて来た。

おっちゃん:「けいすけ! カジノやったことあるか?」
僕:「ないよ!」
おっちゃん:「へー! 実は空港の近くのカジノでVIP客専門のディラーやってるよ!」
僕:「へー! すごいね!」
おっちゃん:「そうだろ? けいすけもやってみないか? プロの必勝法を教えてやるよ」

そういって、おっちゃんはトランプを出し、必勝法を教えてきた。

なんか、怪しいなと思ったけど、さすがプロの詐欺師。
考える時間を与えることもなく、どんどん話をしてきて会話に流され、とりあえず練習ということで、別室に移動してブラックジャックの必勝法レクチャーが始まった。

おっちゃん:「俺の後ろに立っている、おばちゃんがカードの数字をみている。おばちゃんが頷いたらカードを1枚ひけっていう意味で、首を横に振ったらカードはこれ以上引くなっていう意味だ」
僕:「へへ。すげーな」
おっちゃん:「そうだ。俺が勝たせてあげた客(僕)には後からチップとして、お金をもらうってわけだ。
だけど、この前にMr.ポーっていうマレーシア人の金持ちオヤジに勝たせてやったんだが、チップを払わずにマレーシアに帰りやがったんだよ。
今またセブにいるらしく、今日俺の家に来るんだ。
ブラックジャック好きのMr.ポーの事だから、絶対にブラックジャックやろうって言ってくる。
けいすけ! 今日はお前が勝負しろ! 掛け金は先に渡しておくよ」

と言われ、アメリカドルを渡された。

おっちゃん:「どうせ、勝つんだし問題ないだろ」

なんか少し嫌な感じだったけど、俺の金じゃないし、リスクもないということで、おっちゃんに流されてMr.ポーとブラックジャックをすることにした。

Mr.ポー 5秒で登場

なんと、Mr.ポーとの勝負を承諾した5秒後に、扉からMr.ポーが登場した。(たぶん、すでにリビングとかでお茶を飲みながら待機していたのだろう)

Mr.ポーの両指全てに金の指輪。
首には大量の金のネックレス。(全部偽物)
初めて、大富豪を目の当たりにして、完全にMr.ポーが金持ちだということを確信してしまった。

さすがの俺もMr.ポーの登場に「はやっ!!!」と思ったが、全身に金を身につけているMr.ポーを目の当たりにして、唖然としていた。
そして、特に何をいうこともなく勝負が始まった。

勝負はこんな感じ。
留学2週目で全然英語が話せない僕の隣には、日本語は話せるフィリピン人の通訳が座った。

Mr.ポー以外の4人は打ち合わせ通りにゲームを進め、びっくりするくらい順調に僕が勝ってしまう。

すると、突然

おっちゃん:「これ以上の掛け金はさすがに高額だから、バックれないようにMr.ポーに手持ちのお金を見せないといけない」
僕:「え、お金は全然持ってないよ」

当たり前だ。
僕はそもそもSMモールにお昼ご飯を食べに来ただけだ。

おっちゃん:「まじか!それはやばい!このままだとけいすけの負けだ。
とりあえず、デポジットとしてiPhoneとGoProを預けよう。
けいすけ!クレジットカードはあるか?」
僕:「あ、あるよ」
おっちゃん:「じゃあ今からお金をおろしに行って、またここに戻って来よう」

こうして、僕たちは近くのモールにお金をおろしに行くことになった。

正直、引き出した額は覚えていない。
でも、たぶんアルバイトで貯めた東南アジア一周分の10万円くらいだと思う。

おばちゃん:「今日はもう遅いから、Mr.ポーが帰った!勝負の続きは明日にしよう!明日の朝にお金がある事証明する事になったからお金はとりあえず預かる!連絡とりあうために携帯買おう!」

こうして、僕のお金で自分用とおばちゃん用の携帯を購入して、語学学校までのタクシー代(僕のお金)をもらって、帰った。
たぶん、2つで1000円もいかなかったはず。

次の日…

おばちゃんが『授業後、語学学校に向かいに行くね』と約束するも、待ち合わせの時間10分ぐらい前になると、
『ごめん、急用が入った!また明日会おう!』
『Mr.ポーがクアラルンプールに帰ってしまった!来月またセブにくる』
などと言われ、こういったことが約2週間続いた。

語学留学最終日

結局一度も詐欺師達と再会することなく語学留学が終わり、東南アジア一周2ヶ国目マレーシアに行くためにセブの空港に向かった。

少しの希望を残して空港でおばちゃんと連絡を取りながら、突然なんかおかしいと悟った僕は恐る恐るググった。

すると…

や、やられた。
急に頭の中が真っ白になった。

フライト出発1時間前に自分の置かれてる状況を冷静に整理した。

・残金はほぼゼロ
・東南アジア一周の飛行機のチケットは全て買ってる
・2週間後にバイト代が振り込まれる
・クレジットカードで帰国のチケットは買える
・詐欺にあって日本に帰国したなんて親に言えない
詐欺にあった事が知れたら世界一周には100%反対される

これを踏まえて、
まず日本に帰ることは絶対にできない。
そして、せっかくの春休み残り1ヶ月は海外で過ごしたい。
チケットがあるから東南アジア一周はできるけど、お金がないし友達もいないから無理。

あっ!大夢がセブにいる!

僕はホームレスになった

空港のWiFiに繋いだMacから大夢に連絡して事情を説明すると、大夢と一緒にビサヤ人やバジャウ族の家を転々とする生活をさせてもらえる事になった。

1ヶ月のホームレス生活中にいろんな非日常な経験をした。

こんな感じのジプニーの中で寝たり。

バジャウ族の集落に大夢の家を建てたり。

満点の星空の下で寝たり。

無人島でご飯に夢中になってる間に船が流されてみんなで服を脱いでSOSしたり。

朝から晩までトゥバ(ココナッツワイン)を飲んだり。

いろんな面白い人にあったり。

決して裕福とはいえないけど、毎日楽しく過ごしてるバジャウ族の人たち。

こういった生活をしてるうちに

『失敗しても人生なんとかなるんだなぁ』
『なんかあっても死ぬことは、なかなかないんだなぁ』

と、思うようになった。

詐欺にあってホームレスになる前までは、
将来どうしようだったり、何か挑戦したい事があっても失敗したらどうしようと、一歩が中々踏み出せなかった。

だけど1ヶ月のホームレス生活を通して、

『失敗しても死にはしない』
『失敗も経験のうち』
『失敗したらまた成長できる』

と、思えるようになってからは、将来の不安を抱える事なく生きていけるようになった。

そもそも、未来の予想や心配なんて、何の意味ないことだ。

誰もが、永遠の時間を持っているわけではない。

このバジャウ族との生活のおかげで、自分の今持っている時間を大切に僕は毎日生きてけるようになった。

そして、どんなことでも失敗を恐れずに一歩踏み出せるようになった。

ありがとう。助けてくれた大夢、バジャウ族・ビサヤ人。

ありがとう。気づくキッカケをくれた詐欺師達。

みんなも是非!セブ島へ!


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