テーマパークで、ひとり(村上春樹風) #旅する日本語 #心安
園内をトンボが飛んでいる。天気が良くテーマパーク日和だ。
老夫婦の旦那さんは僕に言った。
「写真を撮っていただきたいのですが」「写真」
僕はカメラを受け取った。
×××
彼はデジカメの写りを確認した。
「綺麗に撮れているね、ありがとう」僕の制服を見て、「遠足で来ているの?」
僕は首を振った。「修学旅行で来たんです」「修学旅行」
浦安のテーマパークは人でいっぱいだ。やれやれ。
僕は地元の何倍、何十倍もの人混みにうんざりしていた。
彼は、「楽しいかい?」僕は首を振った。
「いいえ、こんなに混んでいてまだ何にも乗っていないんです」「まだ何にも乗っていない」彼は驚いた。
「私くらいの歳でもここは楽しいから君も楽しめると思うよ」「僕も楽しめる」彼は、ご婦人の手を取り去っていった。
やれやれ。
じゃ、クラスメートと合流しますか…!僕ははぐれていたのだ。
結論からすると、僕は、テーマパークを楽しんだ。
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