見出し画像

湖北の初夏の味「小鮎」

こんにちは、琵琶近江商店ひろもりです。
山はもこもこ緑色に、空は高く青い初夏の季節。
この時期の琵琶湖では「小鮎」の漁がおこなわれています。
本日は、滋賀県の初夏の味「小鮎」について、どうぞお付き合いください。

琵琶湖に住む小鮎とは

画像1

小鮎とは読んで字のごとく、小さい鮎のことです。
子供の鮎、稚鮎を連想されることが多いですが
滋賀県でいう小鮎は「子供の鮎」ではありません。
川で育つ鮎とちがい、びわ湖で育つ鮎は成魚でも10cmほどにしかならず、そのため「小鮎」と呼び親しんでいます。
小鮎の子どもは「氷魚(ひうお)」と呼ばれ、氷のように体が透き通っています。
氷魚は12月~3月ごろの冬にしかとることができない、琵琶湖の特産品です。

小鮎の漁法

画像2

滋賀県、琵琶湖では小鮎の生態に合わせた漁法がたくさん編み出されてきました。
カラスの羽を付けた棒で湖岸の群れを追い込んでつかまえる「追いさで網」
湖面の近くにいる群れを漁船で救い上げる「沖すくい網」や
魚の習性を利用し誘い込む仕掛けでとる「えり」という漁法など
時期や地域、漁師さんによっても様々です。

独特のほろ苦い味

琵琶湖の小鮎はうろこが滑らかに細かく、革や骨も柔らかいので
頭からしっぽまで食べることができます。
旨味が強く、その上クセがないといわれています。
独特のほろ苦さがおいしく、ちょっぴり大人な味です。

小鮎はどんな料理にもおすすめ

さばく必要もなく、そのまま料理に使え
癖がなく上品な味わいの小鮎は
どんな料理に合わせてもおいしく仕上がります。
南蛮漬けや、佃煮、てんぷらなど
特に小鮎のてんぷらは人気のある料理
てんぷらの衣に包まれて揚がった小鮎は
独特のほろ苦さと、こうばしい良い風味。
繊細な白身がほくほく、ホロホロとして絶品!
シンプルに塩がおすすめです。

小鮎の炊いたん

画像3

小鮎の料理で有名なものといえば
滋賀県の郷土料理としても有名な
「炊いた小鮎」だとおもいます。
小鮎の浜だきや、佃煮、甘露煮など
様々な名前で呼ばれていますが
醤油と砂糖で小鮎を甘辛く炊いたものです。
山椒の実を入れたりなど、地域や家庭でそれぞれオリジナルな味があります。
この、炊いた小鮎はご飯にもビールやお酒にも合うので
子供から大人まで大好きな、滋賀県の郷土お惣菜です。

ひろもりと小鮎の話

ひろもりの母親は滋賀県のびわ町(現在は長浜市)の出身で
琵琶湖が近く、琵琶湖の食材を使った郷土料理が盛んな地域です。
母親の実家に行くと、炊いた小鮎(小鮎の佃煮)が食卓に並び
幼いわたしも、柔らかく炊かれた小鮎を頭からしっぽまで一口で喜んで食べていました。
兄弟やいとこのなかでも、とびぬけて炊いた小鮎が好きだったのですが…

学校の給食ででてきた「イサザの佃煮」と目が合い
なんとなく恐怖を感じてしまったわたしは
それ以来、頭からしっぽまで丸々食べる魚を食べることができなくなってしまいました…

画像4

※画:ひろもり(こんな感じのお魚だということを伝えたい)

そして、小鮎とは長い時間距離を置くことに…
ですが、大人になって勇気を出して食べてみたら
やっぱり美味しく懐かしい味と共に、イサザのこともちゃっかり思い出しました。(イサザはとっても美味しいお魚です)

旬をいただく

滋賀県では旬の時期に取った小鮎を鮮度の良いまま冷凍して
一年中、小鮎を楽しみますが
とれたての小鮎は今の季節だけのごちそうです。
旬の時期に旬のものを食べる、当たり前のようで贅沢なことに感謝です。

画像5

小鮎の浜だき(炊いた小鮎)
実山椒と炊かれた小鮎は、風味豊かでおいしかったです。
琵琶近江商店でも購入できます。

小鮎の浜だきはこちらから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?