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逆転のサブスク -憂鬱の罠編-

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『逆転のサブスク』
『逆転のサブスク』-Dの葛藤編-
『逆転のサブスク』-篩にかけられし者編-


File 4. U-NEXT

月額2,189円(月1,200pt付与)(※Google決済)
(Apple決済の場合は2,400円)
契約期間:なし(部長からの承認が下りず却下)


dアニメストア、dTV、 Hulu。
数々の動画配信サービスの契約を
ことごとく壊滅させてきた私が
性懲りも無く次に目を付けたのは
月額料金こそ高いが
そこそこの満足度を誇るU-NEXT。

月々2,189円という高価格帯とはいえ
ポイントが同時に1,200円分も付与されるので
実質料金は989円。

「これはさすがにいけるやろ」

「実質料金は989円」
私はこの謳い文句をしっかり頭に叩きこみ、
意気揚々と部長の元へと向かった。


部長「U-NEXT。」
私「はい!2,189円プランだと
1,200ptも付与!なので実質は989円d」
部長「月額に充てられるんだよね?そのポイント」
私「え、それは…無理です…」
部長「あっそ。じゃあ何に使うのそのポイント」
私「で、電子書籍とかレンタル作品とか…」
部長「有効期限は?無期限?」

私の予想に大きく反して
またしても激詰モードに
突入してしまったキビシメ部長。
どうしてこの人はここまで口うるさく言うのだろう。
明らかにdアニメストアやdTV、
ひょっとしたらHuluの時よりも語気が強い。

私「90日間…です。
でも90日もあれば漫画や雑誌だって
色々買えますし、映画だっt」
部長「漫画ね…
君ってそんなに漫画読んでたっけ?
今読んでるのなんて『名探偵コナン』と
『ブルーピリオド』だけじゃん」
私「えっと、ポイントがあれば買います!
無駄にはしたくないので
多分積極的に買うようになります!」
部長「……今君がオタ活休止してる理由って何だっけ」

あまりにも突然の問いに戸惑った。
「何故今この話を?」と感じた私は
しばらく何も答えることが出来なかった。

部長「こないだ確か言ってたよね?
何て言ってたっけ?」
私「…義務感とか惰性で推すのが嫌だったからです」
部長「だよね?今回も同じなのわかる?」
私「……… わかりません」

わからないと口では答えたものの
頭のどこかではこの後部長が
何を言おうとしているかは大方予想がついた。

部長「「この漫画が欲しいから買う」じゃなくて
「ポイント使いたいからこの漫画でいいや」
になることを僕は懸念してるの」

予想は的中した。
部長の言うように何か適当なものを買って
消費すればいいと思っていた。


部長「元々買う予定のあったものに
ポイントを充てられればそりゃ有効だと思うし
はじめは楽しいとも思うよ。
読んだことのない本や漫画に出会うことは
悪いことじゃないし、
むしろ新しい発見もあって良い刺激になる。
でもそのポイント額内で
キレイに収まるとは限らない。
足が出た分は当然現金が減る。
何より
「欲しいものをポイントで買う」のと
「ポイントを消費するために何かを買う」
この2つは全く違う。
この辺を理解したうえで
ハイ、もう一回しっかり練り直してきて。」

「実質○円」なんて言葉は
よく聞く謳い文句ではあるが
この場合の「実質」とは当然
「特定の条件を満たした」うえでの金額である。
もちろん頭では分かっているが、
「実質」よりも「○円」のほうに
消費者は食いつきやすい。

そのため多少難しい条件であっても、
そこに書かれている金額で判断してしまう。
ポイントでの還元もよくある話ではあるが、
ポイントはあくまでもポイントであって
お金じゃない。
用途も期限も限られているのであれば
謳い文句に乗せられて容易に食いつくべきではない。

恐らく部長はそこにも気づかせたかったのだろう。
私はそのまま何も言い返すことが出来ずに
突き返された企画書をシュレッダーへと流し込んだ。

つづく…


まとめ

「実質○円」の謳い文句は本当によく見ますが、
本当に無理なく無事に享受出来るかどうかは
事前にきっちり調べないといけませんよね。

最悪の場合、契約後に
「こんな条件達成できない!」
と気づく可能性だって大いにあります。

「実質○円」や「ポイント還元!」
などの言葉に惑わされずに、
自分にとっての価値を見極めて
選ばないといけないなと思いました。

それでは今回もありがとうございました!

次回!
「暖色の刺客」
お楽しみに!☆

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