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マイパブリックをバスケットボールコートで実践してるのかもしれない

 相変わらずバスケゴールの管理人っぽいことを続けてます。

 休みの日に自宅から自転車で15分ぐらいの河川敷にあるバスケットボールゴール『西武庫HOOP』(って我々が勝手に呼んでいる)に行って、シュート練習とかして遊ぶだけじゃなくて、ネットが切れたら交換し芝生が剥げてたら移植したり。まあ、『世話焼きの近所のおっちゃん』ですな。

 自分でも何のためにやってるのかよく分からんのですが、「ひょっとしてこういうことなのかな」と思い浮かぶことがあります。

マイパブリックとグランドレベル

 ちょうど1年ぐらい前に「マイパブリック」という考え方に出会って、こんなnote記事を書きました。若い頃から自分で喫茶店をやってみたかったんですよ。どれぐらいお金が掛かるのかとか、どういう準備をする必要があるのかとか、けっこう真剣に調べたりもしていました。

 この記事の中でも紹介させてもらったのが田中元子さんの著書『マイパブリックとグランドレベルでした。建物を借りてお店を開かなくとも、人々が集まる地面(グランドレベル)に自分で作った小さな公共の場(マイパブリック)を設けることで出会いと会話を生むことができる――。実際に自前でコーヒースタンドを出して、無料でコーヒーを振る舞ってみるところから始めた実践の人である田中さんの言い分は、リアルで説得力がありました。

  最近になって、田中さんが始めた公共の場での無料のコーヒースタンドと、誰でも使える公園のバスケゴールに通って世話を焼くことには、共通するものがあると思い始めました。それは出会いと会話が生まれることです。

バスケコートで知り合う「友達」

 ゴール整備が終わった5月末から、週に一度は現地に足を運ぶようにしています。知人と約束をして一緒に遊ぶこともあれば、たった一人でぽつねんと30分ほどシュートを打って帰ることもあります。そうやって通い続けているうちに、居合わせたプレーヤーたちに声を掛けることも増えてきました。

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 集まっているのは近隣の中学生が多いのですが、中には朝練代わりにやって来て5km以上離れた学校に登校していく高校生もいました(若い!)。ざっくりと次の3タイプに分かれるでしょうか。

・中学・高校の部活仲間
・家族(多くはお父さんと息子さん)
・謎の一匹狼

 声を掛けると言っても一言二言なので「出会いと会話」と言えるほどではないのかもしれません。それでも、破れたネットを一緒になって取り替えてくれたり(上の写真はその時の記念写真)、取り替えた後には「ありがとう」と声を掛けてくれたり、それをきっかけにどこから来たのかを聞き出したり、少しずつ言葉を交わせるようになっていく感覚が今は楽しいです。

 私は中・高・大とバスケットボール部に入っていたのですが、部活の場合はほとんどが春先に新入生が一気に入部するので、考えてみればこんな風にしてコート上で毎週一人また一人とバスケットを通じて知り合っていくというのは初めての経験です。最近は気軽にフォロワーが増えたり減ったりするSNSでのライトな「友達」感覚に慣れてしまって、しばらく忘れていた「出会いを通じて知人・友人が増えていく感覚」を久しぶりに経験しています。

 声を掛けるのにはちょっと勇気が要ります。変な風に思われないだろうか、何を話題にすればいいんだろうか、くよくよしたりもします(56歳のいいオッサンが、です)。それでも、お互い黙ぁってシュートを淡々と打ち続けるのも気持ち悪いので、思い切って声を掛けるようにしています。

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 3か月間、毎週通って、同じメンツに巡り合うことはまずありませんし、ほとんど名前も聞いたことがありません。もう少し涼しくなってバスケットがしやすくなる頃には、名前と顔が一致する「友達」が少しは出来ているといいなと思っています。

 知らない人がたくさん集まっている場所の中に、時折、知り合いを何人か見かけることがある――。このバスケットコートがそんな場所になればいいなと思います。そして、そこでの出会いと会話を通じて少しずつ友達が増やせる場所、良い「パブリック・スペース」になるように願っています。

🏀 🏀 🏀


👉 『西武庫HOOP』ができるまで(過去のnote記事)

👉 『西武庫HOOP』のインスタグラムも始めました
フォローやいいね!をしてもらえると、バスケットを通じて少しずつ出会いと会話が増えるような気がします。何卒よろしくお願いします。
https://www.instagram.com/nishimuko_hoop/


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