【1話完結小説】僕とジュリエット
通学路にあるボロアパート。その2階角部屋の窓から、下校中の小学生に向かって毎日怒鳴ってくるおばさんがいた。6年生の僕が入学した時からずっと繰り返されている光景だ。
「ぎゃいぎゃい煩いんだよ!このクソガキどもが!親連れてこい!」
怒鳴られるたび、女子達は足早に逃げていくし、僕ら男子は敵と対峙したヒーローみたいな気分で言い返したりする。おばさんは部屋から怒鳴ってくるだけで実害がない為、半ばゲーム感覚で楽しんでいたように思う。
「ジュリエが出た!ばーかばーか!」
おばさんは子