【レビュー】Sable Hills - DUALITY【メタル】
国産メタルコアバンドSable Hillsの2ndアルバム『DUALITY』をレビューしてみます。
なんならアルバムへコメントも送ったり初期音源は一緒に制作したりと、ゴリゴリの身内(言い方)なんですが、この視点だからこそ書けることもあるのかなと。
まず曲数が、1stアルバム『EMBERS』と同じ10曲収録。内1曲がInterlude (1stでいうThe Path) という部分も同様。
で、ミックスエンジニアは変わっていて。1stはSLOTHREATの克哉くんが担当していましたが、今作はMark Lewisが担当。Wage WarのLow (アルバムverではなくPVの方) を手掛けた人ですね。
アルバム総評はコメント↑で書いた通りなので、各曲ごとに好き勝手にコメントしていきます。
1: THE ENVY
PV曲。導入を経てバスドラベタ打ちストイックメタルリフで幕開け、国民の三大義務ならぬメタラーの三大義務、メロイックサイン必須。
まず明らかに言えること、Takuyaのボーカルバリエーションが増えていて最高。表現力の拡張。サウナってすごい。
独特の清涼感あるクリーンサビ搭載で「ずっとシャウトはキツいぜ」という層も満足でしょう。
最後には義務教育並みにお約束のブレイクダウン搭載で全メタルコアキッズが笑顔。
2: BRINGER
2曲目もPVになってます。
メタラーの三大義務、ヘドバン。
クリーンサビはBFMV彷彿で高まりますね。ブレイクダウン(というかリフ?)上で駆け巡る短めのギターソロも秀逸。
3: ON MY OWN
ハモりリードは正義(声高、しかしこのnoteは無言で書いている)。
Sable Hillsの発明品である「ローチューニング+クサメロリード」が味わいやすい一曲。
4: CRISIS
もはやメタルというか、Metalだよね。鋼鉄。
密かなポイントは、彼らがライブ活動してきたからこそ機能する一瞬のバウンスパート(0:40~)。机上で考えただけのバウンスパートは、微妙に乗りにくくなりがち。
5: SIN
でた、0:39~このタイプのリフ、Rictお得意パターン。君の手の内は全て知っています。
……と思いきや、「こんな引き出しもあったんだ!」系のミドルテンポサビが来てうなずきヘドバン。
最後のサビ終わりでそのままなだれ込むブレイクダウン、秀逸。イントロとアウトロを同じパートで挟むサンドイッチ型構成も👍
6: SNAKE IN THE GRASS
この曲ヤバいだろ。究極のメタルコアトラック。
イントロ、リフとは別でオクターブフレーズを鳴らしてるのがかなり利いてます。これがあるとないとじゃ、高揚感と広がりが全然変わってくる。
そしてAメロのズズズン、ズン-ズン-ズズン、ズジャージャズジャージャがヤバすぎるんだよなー(これ伝わるのか?w)。
オージーメタルコアを感じすぎからの甘すぎないサビ、サビ裏でも容赦なくハモるリード、からの再びイントロからの2番のAメロ。
2番のAでドラムがライドになるのが最高。カンカンカンカンカン~~って。それに入る直前のフィルも鬼だし。1:28で(ユニゾンとは別で)一瞬2発踏むキックも良い。こういう細かいアプローチが全て効果的に作用している。
王道すぎるギターソロ展開も最高。メタルコアドリームを詰め込みすぎて、重量違反になる勢い(何の?)。
7: GLOOM
曲順配置が絶妙。さすが。そうなんすよ。
「そろそろちょっと違う曲調聴きたいな」ってなってました。
そんな感じでWage Warを感じさせるようなイントロからSable節へ合流、ヘヴィパートを盛り込むことで、最後のクリーンも上手く機能してます。アウトロでのイントロ伏線回収もお見事。
8: MESSIAH
こちらは2021年シングルからの収録ですね。ただ音は変わっており別バージョンミックスのようです(たぶん)。
玉ねぎのみじん切りも真顔になるくらい刻まれ続けるギターがやばめ。ヘヴィメタルす。
サイレンを鳴らすことで「あれ、これ音源の音か? 現実の音か?」というリスナー一瞬勘ぐりムーブを挟みつつ、サビ~ギターソロへ。
ギターソロ裏のシンバルワークが凝っており(3:16とか)、さすがKeitaくん。
9: INTERLUDE
「ここから10曲目への流れは、ライブで聴いたらやばそうだな~」というバンド側の思うツボ感想を抱きつつ、気づいたらもう9曲目。
10: THE ETERNAL
ステージダイブが目に浮かびすぎました(感想レベル小学生)。
1:06~でボーカルパートを抜いたセンスに喝采。そうなんよ、ここで一歩引いてくれると逆に曲に没入できる。
2:25の切り替えしパートは、ベースのUedaお得意のアグレッシブムーブ爆裂披露からの翌日完全に疲労している姿が目に浮かびます……😌。
最後はライブを想定したであろうスタジアム直系ウォーオーパートで大団円。4:40~でリードを追加してくれるあたりが、Sable Hillsの魅力。替え玉アプローチ。作り込みが甘いと、雰囲気で流して終わりがち。
「この曲がこの位置にあること」の必然性があるのも良いですね。さすがです。
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございます。
Wacken Open AirやBrutal Assaultにも出演が決まっている彼ら、確実にかましてきてくれるでしょう。Go Sable Hills!
「偉そうにレビュー書いてるあなたは誰なんだ」という方は、↓当方のやっているメタルコアバンドもチェックしてみてください🙋♂️
The UnguidedのJonathanやClint Tustin (現ERRAツアーメンバー/ex-BABYMETAL神バンド) にゲスト参加してもらったりしてます▼
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