どくだみ
先週あたりから、「なんであなたが草むしりをやらないんだ。」というようなそぶりを妻がしきりにするので、日曜日の朝食の後にやってしまうことにした。
両隣の家との間には1メートルあるかないくらいの隙間があって、夏になるとスギナやらシダが繁茂する。ここは、両側に建物が迫っていて日当たりが悪くて、地面には家を建てたときに厚く砂利をしいているので、シダの葉が大きく育っていても、軽く片手でひきぬけば、簡単に抜けるので、30分ほどできれいに片づいた。
次に、裏の花壇に取りかかる。花壇なんだけれど、ブルーベリーとローズマリーが植わっているだけ、今シーズンは他に何も飢えずに放置しておいたら、どくだみが繁った。
日当たりが良くて、地味も肥えているからなのだろう。一面に私の腰の高さくらいまで伸びて白い花を咲かせている。「どくだみ」というだけで日陰に繁る変な匂いがするやっかいものというイメージにからめ取られてしまうが、よく見ると、どくだみの白い花は清楚で美しい。
このまま、育ててもいいかと思ったが、これ以上繁茂してしまううと収拾がつかなくなるし、お隣にも迷惑だ。やはり、どくだみは全部刈り取ることにした。
物置から鎌を持ち出して、どくだみの茂みに手を突っ込んで勢いよく、鎌を振るう。ざく、ざく、ざくと、どくだみを刈る。もう一度、ざく、ざく、ざくとしたところで、勢い余って自分の指に刃先があたった。ちょっと触れたぐらいだと思ったのだが、左手の人差し指の第一関節から第2関節にかけて約3センチほどをざっくりと切ってしまった。
じわっと血がにじんできたので慌てて右手で傷口を押さえる。しばらくして様子をみるために手を離すと、傷口がぱっくりと開いて、そのまま皮膚が垂れ下がってしまう。血はどんどん流れ出る。絆創膏を貼ってなんとかなるレベルではない。興奮しているからなのか痛みは感じない。
すぐに近所の病院に走る。お医者さんに見せると、即座に「縫います。」と宣告。人差し指の付け根に2カ所注射して麻酔すると指の感覚がなくなる。先生が縫いはじめても何にも感じない。触られているのは感じるのだが、針をさされているのは全くわからない。5針ぬってもらって、念のために破傷風のワクチンをうって、抗生剤と痛み止めの薬をもらって帰宅。
今日は木曜日。けがをしてから4日経過した。幸い傷口が化膿することも破傷風になることもなかった。傷口の痛みもなくなった。
裏庭のどくだみは日曜日と同じように可憐な花を咲かせている。
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