僕の初恋
僕の初恋はハッキリと何歳とかはわからないけど、小学校に入る前だから、5歳か6歳の保育園の時かな?
でも、憶えてるんだ。
ゆりちゃん(仮名)を思うだけで高鳴る胸の鼓動と熱い気持ちを感じたのを。
でも、今の大人になった薄汚れた好きという気持ちとは違って、その時の僕のゆりちゃんの事を好きという気持ちは、好物の卵焼きを好きという気持ちと、同じ好きだったかも知れない。
まだ、恋の苦さも知らない時の話だ。
季節も何も覚えてない。正直、ゆりちゃんの顔さえ覚えてない。
ゆりちゃんは砂場で夢中で遊んでいた。
僕はゆりちゃんにこっちを見てもらいたい。僕に注目してもらいたいと思った。
だから、ゆりちゃんの眼の前で小石を食べてみた。
ゆりちゃんは、
「しゅごぉ〜い!」
僕に注目してくれたんだ。
これって僕に恋してるってこと?
僕はものすごく嬉しくて、もっと僕を見てほしくて、もっと僕に注目してほしくて、小石を食べ続けたんだ。
そして、ここからゆりちゃんが先生に報告してくれたのかは分からないが、小石を食べるのを先生に止められた後の記憶がない。
この時の僕の好きは、相手が僕に注目して、僕を見てくれることだった。これこそが恋だと、これこそがまさに僕とゆりちゃんの、
ラブジェネレーション!
(愛を生み出すこと、愛が生み出されること)
しかし、相手から注目されるだけで、恋が生まれるならば、僕は渋谷のスクランブル交差点で、全裸で、超ときめき♡宣伝部の「最上級にかわいいの!」を歌って踊れば、みんなから恋してもらえることになる。
しかし、実際に僕がそれをやれば、公共の安全と秩序の維持を責務とする行政機関である警察から、違う意味の注目を集め、さらにミニスカポリスのような甘い言葉の「逮捕しちゃうぞ!」じゃない本気印の「逮捕しちゃうぞ!」を受けるだろう。
ゆりちゃん、僕に初恋を教えてくれて本当にありがとう。
ゆりちゃんが先生に報告してくれたお陰で僕は渋谷のスクランブル交差点で「最上級に怪しいの!」にならなくてすみました。
「恋とは永遠の勘違い」
これが、僕が初恋から学んだ教訓です。
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