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人によって態度を変えた日々

今も後悔してる事がある。

小学校の時に、ある女の子が転校して来た。足が不自由だった。明らかに不自然な歩き方をしていた。やんちゃな同級生の男子は、その子の歩き方を真似して笑ってた。

僕は可哀想だなと思ってたのに、何も言えず一緒に笑ってた。本当の心は笑ってないのに、仲間外れになるのが怖くて一緒に笑ってた。

結局は今の僕は一人ぼっちになってるのに、仲間外れなんか恐れずに守ってあげれば良かった。

その子は何も言わず、何も怒らず、ずっと俯いて泣きながら耐えてた。そして、毎日毎日あんな小さな体で一生懸命に歩いて帰ってた。

足を引きずって、その歩き方を隠すことさえ出来ずに、みんなの目に晒されても自分の家への帰り道を一生懸命、ゆっくり歩いて帰ってた。

今の僕はもうほとんどの同級生の顔も名前も覚えてないのに、その女の子のフルネームと歩き方を今でも覚えてる。

なんの価値もない自分の小さな居場所を守るために、その子の歩き方を笑ったフリして傷つけた事を今も悔やんでる。今でもあの子のあの子なりの一生懸命な歩き方が頭から離れないのだ。

僕は、強い人間、怖い人間には笑って馬鹿にすることは出来ない。反撃され何をされるか分からないからだ。

僕は人によって態度を変えてる。言語道斷だ。しょうもない人間、今、孤独になってる理由も分かる。

人よって態度を変える人間は、人に態度を変えられる人間になりうる。

中学生の時にある運動部に入ったら、人生で一番のモテ期に入ったことがある。一度に3人から好きと言われ、この中から誰が好きか選んでと言われたりした。

僕は調子に乗ってしまった。とんでもなく偉そうになってしまってた自信がある。そんな人間だと僕を気に入らない人間が現れるのは当然のことだった。

夏休みが終わって学校に行くと、空手をしてる身長180センチ近い同級生が突然目の前に現れた。そして、女子の前で僕はボコボコに殴られ、鼻を折られて血が吹き出した。

喧嘩をしたことも人を殴ったこともない人間だったから、殴られるままだったが、心の中では「殴られて当然だ、調子に乗って嫌な奴だった」と思ってたのを覚えてる。そして、よせばいいのに少しでもカッコを付けたくて「クソガキが」と言ってしまった。

そこから第2ラウンドだ。またボコボコに殴られた。クラス中のみんな見てる。鼻血を垂らしながら僕はトイレに行って顔を洗った。

足の不自由な弱そうな女の子には強気に出て、その子の心を傷つけた僕という人間は、本当に強い人間からリアルな体と心を傷つけられた。当然の結果だ。

そして、人によって態度を変えてた僕は、僕を好きと言ってた女子から態度を変えられた。

僕を好きと言ってた女子は人前で無様に殴れた僕から離れて行った。僕は文字通り天狗の鼻をヘシ折られてそれから一切の自分への自信を無くしてしまった。

これが、あの足が不自由だった女の子の気持ちか…

こんな思いをしてたし、僕もさせてたんだね。

本当にごめんなさい。

もし、あの時に戻れるなら、今度は自分の心のままに君を守りたい。君の泣いてる姿が将来の自分の姿だから。

僕は心も喧嘩も弱い人間だから、強い人間にはどうやっても勝てない。

だから、筋を通すならば、どんな゙相手にも謙虚で接するべきだ。今なら本当によく分かる。

足が不自由だったあの子が今は大事な人に本当に大事にされて幸せになってる事を心から祈ります。


今の謙虚な心を僕に教えてくれて本当にありがとう。

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