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山中千瀬
2020年7月8日 00:26
一本の骨をかくしにゆく犬のうしろよりわれ枯草をゆく- - - - - - 寺山修司 すでにあたしに過去はない。だからこれは嘘の記憶だ。あんたはしっかり前だけを向きぼんやり光る道をゆく。いや、道がぼんやり光るのはあたしにとっての話で、あんたにとってはまた違っているだろう。あんたの足裏にやわらかい草の感触がある。あんたの腹を枯れた穂がくすぐる。枯れてかわいた背の高い草たちをかきわけ、踏み倒しなが