かいほー

解放された。
曰く、人はできない理由を求める生き物らしい。
時間がない、金がない、できるかわからない、誰かに迷惑をかけたくない、やる元気がない、ないないづくしの雁字搦めだ。
……だが、俺は解放された。

解放されて漸く、これは程度の問題であったと見当がついた。

ない理由が沢山あるうちは、自分のせいではないと思える。
自分の内側に目は行かない。
……だが、ない理由のうち、本当にないから出来ないという理由は、大抵ひとつかふたつ。
あとは単にやりたくないだけだ。

……そもそも、どうしたら出来るのか、というところに考えが至らない時点で、そこまで欲していないことに気づくべきでもある。
けれども人は自らを正当化したいから、大抵はやるべきことをやりたいことに置き換えていることに気付かず、出来ないのだ、と言い張るのだ。

……結論から言えば、やるべきことがやりたくないことな時点で、それをどうにかやらない方法を死ぬ気で探すべきだし、探している間にもリソースを無駄に消費しにくい行動は起こしておくべきだ。

また、同時に自分のやりたいことを見付けるのも大切だ。
しかし、やりたいことというのは案外見付け辛いものだ。
簡単に見分ける方法を教えよう。

『あなたが今、一番、好きで金をかけていること。』
『余裕がないときにも、かけるのを減らせない費用』
これがアナタの一番やりたいことだ。

住居費に一番お金をかけている?
……あなたは快適な住まい、立地を選んで金をかけているのだ。
食費に一番お金をかけている?
……あなたは美味しい食事を是として生きているのだ。

……俺か?
俺は食費だった。
家賃が払えなくても1000円のラーメンを食いに行ったし、スマホが止まっても1500円だして良い飯を食った。

俺にとって、食はそれだけ大切なものだったんだ。

そして俺は決めた。
食費だけは何があっても下げない、と。

そして、今。

勿論デブになった。
当たり前のことしかおきないのだ。
ちゃんちゃん。

おこころづけ