府中に初めて行きました。
府中美術館が目当て。ギリギリだけど本当に最終日に間に合いました。二十代の頃にウィリアム・モリスの世界観を知ってから夢中になりました。今では生活のありとあらゆるものに見かけるようになって、やっぱり好きなものは、ずっと好きだなあ……と。
晴れで良かった。
19世紀に英国での産業革命が押し寄せる最中、「機械が人間の労働から創造性を奪う」と警鐘したのがジョン・ラスキン。
後に、モダンデザインの父と言われたウィリアム・モリスは"美しいものが日常の生活にこそ必要なものである"を理念に、生活と芸術との統合を現実に導く為にアーツ・アンド・クラフツ運動の基礎を築いた。
手作業の物作りには生産性に限界がある。精度を高めれば、それに準じて時間も右肩上がりとなる。限りが無くなるが時間は有限。同時に人間は感情と知性を持つ生き物なので機械と違ってトライ&エラーも生じ易くなる。賛同する協力者も居るが、逆の生産性の向上に努めて手間を省き商業化産業化を優先し押し進める者も居る。どちらが正義かと言えば、それはどちらもで、どちらを取っても、それぞれにメリットとデメリットはあり、それはその時代においても変化する。
流動的でも、忘れてならないのは、美しいものは美しいままだと言えることだろうか。(手入れは必要)
建築家で有名なフランク・ロイド・ライトは実に巧みに両方のバランスを取った人。人間には人間の良さがあり、機械には機械の良さがある。例えば豊島区にある「自由学園 明日館」など趣きのある唯一無二な建築物を眺めると、妙な気分になる。今でこそ時短という言葉があるが、丁寧に時間をかける部分と作業上それ程思い入れが必要性がなく、機械で済ませても弊害がない部分と、新しいものを受け入れない古風な感覚を、新たなる感覚で取り入れてみる。やはりバランスは大事。
当時のアメリカでの運動は現在では日本にも根付いているのだから。決してデザイン関連界隈だけでなく、人間社会の摂理、いやきっと生命あるものの宿命のような歴史とメッセージも感じて感慨深く作品を眺めた。
時代の流れで、機械が人間の仕事は奪うにしても、心、考える創造力は手離してはならない。そう強く思いました。
鮮やかさって色を複数使用していなくても、単色だからこそ伝わる鮮やかな美もあると知る。
さて、府中と言われたら、府中競馬場です。空き時間があったので歩いて見学に行って来ました。
府中でのランチはこちらで。
七五三の参拝の家族を見かけました。
一日の終わりはスターバックス☕️✨で。
以上、楽しい府中の一日旅でした。